2012年12月9日

全国防災予算枠の確保を 尾ア知事と市長が意見交換会

 
挨拶する尾ア知事(11月27日、三翠園ホテル)
高知県内市長と尾ア正直高知県知事が意見交換する会合が11月27日、高知市の三翠園ホテルで開かれ、南海トラフ地震対策特別措置法の早期制定、財源確保、高台移転促進や津波からの避難場所になる高規格道路整備などを求める意見が交わされました。

意見交換会には室戸市、安芸市、香南市、南国市、高知市、須崎市、四万十市、宿毛市の市長と尾ア知事が出席。

「全国防災対策費の全国防災枠の確保を」(楠瀬耕作・須崎市長)、「県道に歩道橋型の避難タワーの建設をすすめてほしい」(清藤真司・香南市長)、「東北では高規格道路で津波が止まった。この道路を住民の避難場所にしていくための協議を国交省とすすめていく」(橋詰壽人・南国市長)などの発言があり、尾ア知事は「南海地震は国家的な課題としての対応が求められており、特別措置法制定、対策予算確保に向けて訴えていく」と述べました。


全国防災のための予算を如何に確保していくのかが大きなポイント 尾ア正直県知事

復旧復興予算の流用、さらには全国防災対策費の流用が大きな問題になった。全国防災対策費は閣議決定されて、去年の段階で全国の防災対策に使うことがはっきり国の方針として明示され、国会でも了承されて現在にいたるものだ。

ただ、全国防災対策費を緊急性、即効性がないものに使うのは確かにいかがなものかと思う。そういうものに使う余裕があるなら、本県がやっている緊急性のある避難場所作りを一カ所でもすすめさせてもらいたいというのが、我々の思いであり、そういうことを訴えてきた。

残念ながら「全国的な緊急防災・減災事業」1兆円は、まもなく予算枠が終わろうとしていて、新しい予算編成でも厳しく絞り込みが行われようとしている。「緊急防災・減災事業」(0・8兆円)の予算枠も、すでに0・7兆が執行されている。

新たな全国防災のための予算、それを下支えする緊急防災・減災事業債の後継のようなものを如何に確保していくのかが大きなポイントになる。

防災減災の名を借りて、公共事業をまた拡大してバラまいてという議論もあるようだが、防災減災のために行う公共事業は、新たにとてつもなくでかい堤防をどんどん作ろうなどという派手なことを言っている訳では全然なくて、今ある堤防が、砂の上で地震の後に崩れないようにするため矢板を打ち込んで、流動化対策をするとか、地に足が付いた必要最低限の取り組みをしているということを全国にしっかり訴えていかなければいけない。(2012年12月9日 高知民報)