2012年12月2日

voice 「マーケットにのせれば原発は負ける」 吉岡斉・九州大学副学長
日本の新自由主義者の多くは、小さい政府がいいなんて思ってないんですよ。真の新自由主義者は無駄金、既得権益を全部切り捨てますが、日本の新自由主義は既得権益には寛大で、労働者や弱者に対してだけきびしい。 

政府の金も、自分に流れてくるのは大歓迎。ある種の金権主義的みたいなところがあって、そうでない筋金入りの人もいますが、利権に問題意識が薄いですね、日本の新自由主義は。金が好きなだけ。

2011年から竹中平蔵と付き合っていますが、彼は全然原発について問題意識がなかった。電力についてもなかった。彼が仕えた小泉純一郎にもそれはなかった。彼らの周囲には原発をやっている人間がいなかった。矛先は郵政ばかり。電力・原発のほうがはるかに大きな利権なのに。

原発は新しくなるほど、単位出力あたりの建設コストが上がる。新しくなるほど上がる。半導体とは正反対に技術の穴が見えてくるので。保護を外してマーケットメカニズムに乗せれば原発は負ける。アメリカでは、原発がなりたないことは、ほぼ確定してシェールガスになっている。全然勝負になりません。(2012年10月27日、高知市で講演)(2012年12月2日 高知民報)