高知県教育委員会は家庭の経済状況にかかわらず高校教育を保障するために重要な役割を担う県高等学校奨学金(貸与※)利用者が高校卒業後、収入がない場合に返済を猶予する制度を来年度からつくる準備をすすめてきましたが、このほど知事部局側との内部調整もクリアし、12月県議会に関係条例改正案を提案することにしています。
11月7日に、中沢卓史県教育長が国民大運動県実行委員会との意見交換会の中で述べたもの。文部科学省が設置している「高校生修学支援基金」(25年度までしか存続は確定していない)を初動では活用して運用していきますが、国の基金の動向にかかわらず恒久的な制度として実施する方向性を教育長が9月県議会で示していました。
条例改正案が成立すれば、現在の高校3年生から、卒業後に就職がなく本人に収入がない場合に無期限に返済が猶予されることになります。
これまでは本人の収入と連動して返済を猶予する仕組みはなく、実現すれば利用者が不安なく貸与を受けることができるようになります。
給付でなく貸与である限界はありながらも、高校教育を保障していくうえでの画期的な前進といえます。
※県高校奨学金 @月額18000円か23000円(国公立)、A月額30000円か35000円(私立)を、定められた収入以下の世帯の生徒本人に無利子で貸与する。高校卒業後(進学した場合は返済猶予)、7年から20年で(返済金額は月額数千円から1万数千円).返済する。(2012年11月18日 高知民報) |