2012年10月28日

相次ぐ餓死・孤立死防げ 雨宮処凜・寺久保光良対談 高知ネットホップ

   
雨宮処凜さん 寺久保光良さん 
ルポ作家・雨宮処凛さん、『福祉が人を殺す時』の著者として知られる寺久保光良さんを招き、全国で多発する餓死・孤立死、札幌市白石区で起きた姉妹病死・凍死事件を通して、今日の貧困の現実を見つる対談10月21日、高知県立大学永国寺キャンパスで開かれ130人が参加。生活保護申請を排除する「水際作戦」根絶、生活保護水準切り下げを許さないことが訴えられました。主催は「こうちネットホップ」(田中きよむ代表)。

寺久保さんは、姉妹病死・凍死事件について白石区で調査で判明した内容について発言。姉が福祉事務所を3回訪れた記録に基づき、事務所側が非常用パンを与えるなど、困窮の実態を把握しながら、アパート家賃が保護条件額を月3000円上回っていると告げて(保護受付後に対応できるにもかかわらず)、「懸命な求職活動」(保護の要件ではない)をさらに求めて、「申請の意思が示されなかった」として生活保護を受け付けず死に至らしめた経過を報告しました。

「頑張って求職活動をしていた彼女が、さらに『懸命な求職活動を』と福祉
事務所に言われたら、もう保護は受けられないと思うだろう。プロが素人を手玉にとり申請させなかったようなもの」(寺久保さん)。

雨宮さんは、白石区の事件後に始まった大規模な生活保護バッシングを利用して政府が保護水準の切り下げを年内にも狙っていることに警鐘を乱打。「バッシングの影響で最近はSOSすら出さずに死ぬ事件も起きている。誰もがSOSを出せる社会が求められる」と強調しました。

対談終了後、こうちネットホップの総会が開かれ、代表=田中きよむ、副代表=下元博司、事務局長=霜田博史の各氏を選びました。(2012年10月28日 高知民報)