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オスプレイ飛行に抗議する県民の声は賛成少数(10人)で否決された |
10月9日に閉会した9月定例高知県議会直前、米海兵隊のオスプレイが四万十市や土佐清水市上空での飛行が明らかになったことから、急きょ「安全確保策の合意を無視したオス7プレイの本県通過に抗議し、安全確保を求める決議」を日本共産党が提出しましたが、賛成少数で否決されました。決議に反対した自民・公明・民主各党の県民の安全や不安を顧みない反県民的体質が露わになりま
した。
中根佐知議員が決議の賛成討論に立ち「日米合同委員会でまとめた運用ルールもすぐ破られ、安全を保証するどころか、安全とは程遠い行為が続いている。国民、高知県民の命と安全を守ることを第一に、オスプレイの国内配備・運用を撤回するよう国に求める。県民が安全で安心して暮らせる高知県であるため県議会として声をあげることは責務だ」と訴え。
自民党の西内髀ルc員が反対討論に立ち(別項)、「オスプレイの安全性に問題はない。懸念する声は事実誤認であり、国防を理解しないものだ」と述べました。
■決議への賛否は以下(敬称略)
抗議決議に反対
自民党 金子繁昌、加藤漠、川井喜久博、坂本孝幸、西内健、西内隆純、弘田兼一、明神健夫、依光晃一郎、梶原大介、桑名龍吾、佐竹紀夫、中西哲、三石文隆、森田英二、浜田英宏、樋口秀洋、溝渕健夫、土森正典、西森潮三、西岡寅八郎(武石利彦は議長のため採決に参加せず)
公明党 西森雅和、黒岩正好、池脇純一
県政会 中内桂郎
民主党・県民クラブ 大石宗
南風 ふぁーまー土居
抗議決議に賛成
日本共産党 岡本和也、中根佐知、吉良富彦、米田稔、塚地佐智
民主党・県民クラブ 坂本茂雄、田村輝雄
県政会 上田周五、横山浩一
みどりの会 高橋徹
解説 共産党が9月県議会最終日に提出した同決議は、「爆弾を放り込まれた」と自民党のベテラン議員がこぼしていたように、自民党や公明党県議団に少なくない動揺を与えました。
自民党県議団にすれば、オスプレイ配備を推進する方針を持ちながらも、日に日に高まる県民のオスプレイ配備と飛行への批判、配備を強く批判している尾ア正直知事との摩擦を考え、真正面から賛否をあらわすことはできれば避けたいところ。
本会議開会に先立つ議会運営委員会では、「この決議のどこに緊急性があるのか」(土森正典議員)など、先送りを意図した声が自民党から出るなど、今議会で決議を議案にせず採決しないこともありうる展開でした。しかし、さすがにそこまでするのは難しいということになり、本会議で採決に付されることに。
抗議決議の反対討論に立ったのは自民若手の西内髀ルc員。県民の批判を怖れてベテラン・中堅議員は出てきません。その内容は、多発するオスプレイの墜落事故の原因を「人的要因であり機体に特段の危険はない」とする米軍と日本政府の報告を繰り返すばかりで、低空飛行訓練に晒されて生活する県民の不安など眼中にない様子でした。決議否決の報を受け、県民には「がっかりした、県議会は何をやっているか」という失望の声が広がっています。(N)(2012年10月21日 高知民報) |