2012年7月15日

四万十川アピール 原発に頼らぬ地域づくり 流域5自治体

 
「原子力発電に頼らない」  四万十川アピールを公表する5自治体の首長
「原子力エネルギーに頼らない自然エネルギ−への転換」−−。源流域から河口までの四万十川流域の自治体首長(高知県内)が6日、四万十町の窪川で一堂に会し、「四万十川アピール」を発表しました。

アピールに参加したのは四万十市、四万十町、梼原町、津野町、中土佐町。各首長の一致点を基本に、流域の自然環境を後世に守り伝えるため、原発に頼らず、再生可能エネルギーを地域から作り出していくことを表明しています。

県須崎土木事務所四万十町事務所で開かれた記者会見には、田中全・四万十市長、高瀬満伸・四万十町長、矢野富夫・梼原町長、池田三男・津野町長、池田洋光・中土佐町長(代理)が出席。田中・四万十市長がアピール文を読み上げました。

アピールは、四万十川の流域全体が「重要文化的景観」に指定され、自然と人の暮らしが調和し共生していることの重要性を強調し、福島第一原発事故による放射能汚染、被害の大きさを重く受け止め、日本の原発は地震の脅威から逃れることができず、流域の自然環境、生活文化を後世に伝えていくため原子力発電に頼らない自然エネルギーへの転換を、小水力発電や木質バイオマスを軸にすすめていく方向性を示しています。

代理出席だった中土佐町長以外の4人の首長が、伊方原発再稼動に反対する意思を表明し、「アピールは最大公約数的なものだが、伊方原発で事故が発生した時の不安が背景にある。四万十川流域は伊方原発に近く、河川汚染を心配している」(田中・四万十市長)。各首長の一致点を重視するため、伊方原発再稼動について言及はないものの、原発依存からの脱却を四万十川流域からすすめていく強い決意を示すものになりました。(2012年7月15日 高知民報)