高知市が市庁舎や清掃工場などの清掃業務を委託する入札に今年度から異変が起き、落札価格が数倍に跳ね上がる現象が起きています。4月23日に実施された「高知市清掃工場及び別館等清掃業務」は昨年の3・18倍まで高騰。落札したのは岡ア誠也市長の選挙に選挙カーを提供するなど極めて密接な関係にある高知市労働事業協会(部落解放同盟高知市連絡協議会と表裏一体の団体)でした。入札経緯について6月19日の高知市議会で竹村邦夫議員(新風クラブ)、21日に岡田泰司議員(日本共産党)が指摘しました。
落札価格が高騰した要因について、執行部はこれ以上低額であると失格となる最低制限価格を、昨年度までの入札上位(価格が安い)5社の平均としていた方式では、過度な低価格競争が改まらないことから、市があらかじめ適正とする額(非公開)を決定する方式に変更。見直し初年度の今回は業者が不慣れなために大量の失格が出たと説明しています。
過度な低価格競争を排し、労働者の賃金を保障することは重要ですが、今回の見直しでは、その担保はどこにもなく単なる経費増に止まっているのが実態です。
岡田議員「人件費の予定積算単価が、労働者に渡る保障をどう担保しているのか」
中沢慎二・総務部長「支払い賃金を拘束するものではない。積算単価に基づく賃金を支払うことを担保することや支払いの状況の把握は行っていない」
解説 今回の清掃工場の清掃業務入札は、参加11社のうち、前回落札額の3倍以上もの高値である800万円を入れた他高知市労働事業協会だけが有効となり、それより低く入れた他10社はことごとく失格するという異様な結果に。落札価格は昨年の3・13倍にものぼりました。
最低価格が公表されないことから、恣意的な入札結果が可能な不透明な方法であり、さらに価格が上昇した分が、労働者に渡る保障はないというお粗末な「引き上げ」です。
これまでの清掃業務随意契約の縮小により減収している同事業協会がダントツ唯一の最高額で落札、非公開(※)の最低制限価格、部落解放同盟との度かなさなる議事録のない非公開糾弾会、市長選への同事業協会の関与にみられる一体化。これらの事実を市民目線で見れば、不自然さは拭えません。(N)(2012年7月1日 高知民報) |