2012年6月17日

仁淀ブルー守れ 源流域に100万立方メートルの産廃計画浮上

 
100万立米巨大な穴となっている採石跡
平成22年度全国1級河川水質ランキング(国土交通省)1位に輝く仁淀川の源流、愛媛県久万高原町東明神の民間採石場(有限会社・大宝砕石工業)の採掘跡を、産業廃棄物最終処分場に転用する計画が明らかになり、同町住民と高知県民に急速に「清流を守れ」という声が広がっています。

小倉澄夫・大宝砕石代表取締役によると、経営主体は同社とオオノ開発(松山市)が出資する株式会社TO。3ヘクタール、100万立方メートル、深さ60メートルという巨大な採掘後の穴を、管理型処分場にするというもので「土で埋めるつもりだったが、埋めるだけでなく処分場にすれば、処分場不足の解消、雇用で久万高原町のためにもなる。水は久万川に放流せず、浄水して砕石で使う。悪いことをしているつもりはまったくない」。

現在は、事前審査前に地元合意を取り付けている段階で、事前、本審査をクリアすれば最短4年後の開業になります。

この他に小倉取締役が述べた計画概要は以下。 「地盤は安山岩で水が染みず処分場に適している。予算は10億から20億円、排水を貯める貯水地は3000立米でいけると思っていたが、愛媛県に7000立米は必要とアドバイスされた。採石事業は隣接する山で続ける。オオノ開発と組むことで融資が可能になった。南海地震の時には高知の震災瓦礫も受け入れる」。

7日、日本共産党の塚地佐智、吉良富彦高知県議、橋元陽一衆院高知3区候補などが久万高原町を訪問し、高野宗城町長と面談。町長は「町トップとして賛否は言えないが、議会が全員一致で反対、高原米、トマトの風評被害が考えられる農業関係者の反対も強いことから、町としても反対する」と述べました。4日にも高知県の仁淀川下流域の市民グループが同町長に処分場に反対することを求める要請文を提出しています。

当面は町が反対していることから事前協議には入れない状況。小倉取締役は「原発事故の影響で過敏になっているので、今の段階では地元の合意は難しいだろう。時間をかけて理解してもらうしかない」と計画撤回はせず、長期戦の構えを示しています。(2012年6月17日 高知民報)