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高知市史 「描かれた高知市」 問題の古地図は掲載されていない |
高知市発行「描かれた高知市 市史絵図地図編」をめぐり、部落解放同盟高知市連絡協議会(竹内千賀子議長、高知市議)が、吉岡章副市長以下の市幹部を「歴史的事実や人権が踏みにじられた」(解放新聞号外高知市協ニュース3月22日号)と4月2日、同市協事務所に呼び付けて90人が参加した「学習会」を開き、吉岡副市長が謝罪していたことが分かりました。市幹部が大人数に取り囲まれる旧態依然とした自主性を欠く交渉が繰り返されました。
発端は本年2月、市史の編集過程で掲載を予定していた江戸時代の古地図に、当時の被差別部落の場所を特定する記載があったことから、市史編纂担当課である総合政策課が解放同盟側に掲載の可否を相談したことでした。
この古地図は1984年に週刊朝日百科(朝日新聞社)に掲載し、部落解放同盟が糾弾闘争を展開して、高知市も朝日新聞に販売停止を求めた経過があったものですが、今回は「史料改ざんになる黒塗りはしてはならないので、市の判断で掲載はしなかった」(弘瀬優総合政策課長)。
解放同盟側が問題視したのは、28年前の事件を吉岡副市長以下の幹部が「知らなかったこと」。掲載の前に問い合わせたことを「人権を踏みにじった」と批判し、それを市が謝罪するという奇妙な構図です。
「学習会」には吉岡副市長、中沢慎二総務部長、森田恵介市民協働部長ら6人の市幹部が参加。解放同盟からは森田益子顧問、竹内市議など90人が出席しました。「出席者からは激しい言葉も出た」という証言もあり、人数的にも対等な学習といえるようなものではありません。特定市議が代表を務める団体が数を力に執行部に圧力をかける図式も極めて不正常です。
吉岡副市長は取材に答え「過去の重要問題の引き継ぎができていないことを謝罪した。勤務に支障のない夜間、課長以上の幹部だけで行ったので問題ない」とコメントしました。
今回、何か問題が生じたことに対してではなく、「ない」ことが問題にされました。数十年前の事案で引き継ぎがされていないことは無数にあり、この論法では解放同盟の意図次第でいくらでも拡大できることになります。
高知県は2001年度から県政を歪める根源であった同和団体との密室交渉を抜本的に改め、人数と時間を制限し、団体へ出向くことはしない、報道機関への公開、ウェブサイトでの内容公開に切り替え、尾ア県政下でも同様に引き継がれています。
同市のある幹部からは「このような形で幹部が呼び出されて謝罪をさせられる対応は、解放同盟以外にはあり得ず、市民に説明できない。県のような交渉のルール化が必要な時期だ」という声が聞かれました。
岡崎誠也市長は3月3日、解同市協主催「全国水平社創立90周年記念集会」で「大変迷惑をかけた。庁議で徹底し、人権研修でとりあげていく」と発言。5日の庁議でこの問題が報告されています。(2012年4月8日 高知民報)
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