2012年4月1日

核燃料サイクル どうしようもない現実 河野太郎・自民党衆議院議員が高知市で講演

 
講演する河野太郎衆院議員(三翠園ホテル)
自民党内で1990年代から同党の原子力政策を批判してきた衆議院議員の河野太郎氏が3月17日、高知市の三翠園ホテルで講演し、日本がめざしてきた「核燃料サイクル」路線の虚構と破綻、原子力発電からの全面的撤退への道筋を示しました。県エコデザイン地方議員連盟(浜田英宏会長)などの主催。

同議連は自民党をはじめとする保守系県議のイニシアティブで運営されており、この日の集会では中谷元・自民党衆議院議員があいさつ。司会は桑名龍吾自民党県議、前回参院選に自民党公認で出馬した高野光二カ夫妻がスタッフを務めるなど自民党色が濃いものでしたが、それだけに河野氏が述べた「核燃料サイクル」への痛烈な批判や全原発廃止への道筋が、福島原発事故後も原発からの撤退に動揺的な傾向が見られる自民党高知県議団、県下各地の核処分場施設誘致に関与してきた同党の国会議員らに与える影響が注目されます。

河野氏は政府が固執する「核燃料サイクル」の核心となる高速増殖炉実用化は「50年やって2兆円使い、政府の楽観的な予想でもあと40年かかる」と破綻した実態を提示し、「使用済み核燃料を貯めるプールは六カ所村で再処理をしなければ数年で満杯になるが、再処理をするとプルトニウムが増える。日本は国際社会にプルトニウムは核兵器ではなく発電に使うと言っているが、肝心の高速増殖炉実用化が40年先という、どうしようもない現実がある」と、これまでの自民党の関わりも含めた問題点を指摘しました。

さらに河野氏は、運転中の原発を40年で廃炉にして、最も遅くても2050年には全原発をなくすスケジュールを提起し、「原発がすべて止まっても今年の夏はそれなりの節電で乗り切れるが、必要最小限の再稼働は必要になることも考えられる。どのタイミングで全廃するかについては国民の議論が必要だ。再生可能エネルギーでエネルギーを分散させることで経済の地域分散も進む」と述べました。(2012年4月1日 高知民報)