2012年3月25日

県「人権意識調査」に批判続出

高知県は2012年度に人権に関する県民意識調査を実施するための予算を2月県議会に提案。予算は認められたものの、調査の同和偏重、時代錯誤的な設問に対し3月12、13日の文化厚生委員会で多数の委員から批判が噴出し、執行部は今後の同和問題のスタンスに起動修正が迫られました。

最も批判が強くあったのが同和問題について「かりに、あなたにお子さんがいて、そのお子さんが結婚しようとしている相手が、同和地区出身の人だと分かった場合、あなたはどうしますか」という設問。

米田稔議員(共産)は「仮定のアンケートでしかなく、実態調査ではない。行政は実態にもとづいた取り組みをしなければならない。結婚差別は県が把握している差別事象にも上がっておらず実態に反する」と批判。

他の委員からも「なぜ同和問題が一番はじめに出てくるのか」、「誘導的」、「同和関連法が終結していることをきちんと書くべき」などの指摘がありました。

県人権課は「県としては結婚や就職に関して部落差別は根深いととらえている。意識調査は人権条例に定められているものであり、前回(10年前)と基本的に同じ設問で意識の変化を調べるもの。設問に文言を挿入することなどを検討する」と答弁。

調査の結果を同和行政の根拠法が残存していた2000年に制定され現在も生きている「県人権施策基本方針」の見直しに活用するとしました。

県文化生活部幹部からは「党派を超え、これほど批判が強いとは思っていなかった。この教訓は基本方針の見直しに生かす」という声が聞かれました。(2012年3月25日)