2012年1月29日

米軍機低空訓練中止を 高知県が知事名で要請文

高知県は昨年末から米軍機による低空飛行訓練が頻発していることを受けて1月19日、外務省と防衛省に対し、米軍機飛行訓練の中止を尾ア正直知事名で要請しました。要請文の要旨は以下。

本県では、平成元年以来、嶺北地域を中心に、米軍機によるものと思われる低空飛行訓練が繰り返されており、これまでにも度々、中止要請を行ってきました。

しかしながら、昨年12月6日から21日にかけての短期間に、計29回36機の米軍機と思われる低空飛行が目撃され、著しく低い飛行高度によるものが7回11機にものぼっており、住民から不安の声や苦情が地元役場などに寄せられています。

度重なる中止要請にも関わらず、こうした危険性の高い訓練が続けられていることは、県民の安全・安心を預かるものとして極めて遺憾であります。

本県においては、平成6年10月に早明浦ダムで、11年1月には土佐湾沖で米軍機が墜落する事故が発生しており、爆音を伴って住宅地上空で繰り返される超低空飛行は、事故の記憶が鮮明に残る住民に対して、恐怖心と強い不安感を与え続けています。

昨年11月29日には、消防防災ヘリの訓練と同時間帯に3機の戦闘機の著しく低い高度による飛行が目撃されています。山間部を多く抱える本県では、住民の命を守るため、防災・救急救命活動におけるヘリコプターの活用が不可欠であり、飛行ルートや時間の告知もなく行われる超低空飛行は、当該空域で年間40回以上活動する消防防災ヘリコプターやドクターヘリの航行の安全を脅かすものであります。

つきましては、こうした米軍による低空飛行訓練の実態を把握していただくとともに、米軍関係当局に対し、低空飛行訓練の中止、特に超低空飛行による訓練の即刻中止につきまして強く要請していただきますようお願い申し上げます。(2012年1月29日 高知民報)