2012年1月29日

バーガ森北斜面遺跡 弥生中期 2000年前のコメ・ドンングリも

 
直径8メートルになる竪穴住居跡(上)、2000年前のコメ(下)
高知西バイパス工事に伴い埋蔵文化財の発掘調査をしていた「バーガ森北斜面遺跡(岩神地区)」(吾川郡いの町是友・奥名)の発掘成果を県埋蔵文化センターが1月20日公表。弥生中期の竪穴建物跡3棟、この時代に珍しい鉄斧、壺の中から炭化して当時の形状をそのまま残す約2000年前のコメやドングリが大量に発見されるなど、貴重な資料が出土されたことが報告されました。

この住居は谷に沿い作られ直径8メートルもある大型のものですが、土石流で一気に破壊された形跡があり、その土石流で一気に粘土質の土にコメやドングリがパックされ2000年後まで形状が残りました。コメはジャポニカ種短粒米で、今後の稲作の歴史解明につながる発見です。

また全国的に早い時期から鉄器を作っていたことからも、高度な技術を持つ集団が生活していたことが分かります。

吉成承三・同センター調査第二班長の話 昨年度調査した隣接する三世庵地区の遺構は軍事的要素が強かったが、ここは生活の場であることが分かる。「山住み集落」の暮らしぶりを窺い知ることができる貴重な遺構だ。(2012年1月29日高知民報)