2012年1月22日

岡崎高知市長 「スマホつついて生活保護」

昨年12月12日、東京で開催された厚生労働省と地方自治体が生活保護「適正化」に向けて協議をする会議の場で、出席した岡崎誠也・高知市長が、生活保護受給者がスマートホンを持っていることを問題視した発言をしたことに「携帯電話やネット環境は就職活動の必需品だ」という批判の声が上がっています。岡崎高知市長の発言は以下。

時代の変化により生活保護の中身も性質もずいぶん変化してきている。特に高齢者は今でも生保の半分くらいを占めているが、リーマンショック以降、若い方々が生保に転落してくることが大きな課題になっており、国民から見ても違和感があるというのが率直なところ。医療機関も含めていろんなところで、若い生保受給者の方々がこられるわけだが、例えばスマートホンをつつきながら生活保護を受けている方に、医療機関に従事されている方々からも、何でこういう人が生活保護なのという率直な疑問があると思う。

「国と地方の協議」は「適正化」の名の下に生活保護費削減を目的とするもので、この日の会議には小宮山洋子厚労大臣、石川県知事や川崎市長と共に岡崎高知市長も出席。職業訓練を受けない「意欲のない」受給者の保護停止を検討する「中間とりまとめ」を決定しました。

職業訓練の内容の薄さや、開催場所の地域的偏りなどの問題が山積していることとともに、欠席した「合理的理由」を証明するため体調不良で休む場合などにも診断書が求められるなど、実質的に困難を抱える受給者の制度からの排除に繋がりかない危険があります。

さらに憲法が定める国民の生存権保障の最後のセーフティネットである生活保護を、「意欲がない」なら排除しても構わないということに繋がるものであるといえます。(2012年1月22日 高知民報)