2011年10月27日

三石副議長(自民) 「女性も女性、陥れるとか」 警官が留置被告女性に触る不適切事案で

県警が留置担当警官の不適切事案を報告した県議会総務委(10月27日)
殺人容疑で高知南警察署に勾留された36歳の女性被告に留置施設の管理業務に従事していた男性警察官が施設内で手を握るなどの不適切な行為を繰り返していた問題を県警本部が報告した10月27日の県議会総務委員会で、三石文隆議員(自民党)は「女性も女性でないかという気がうんとする。陥れるとか」と、女性被告に非があったとする発言をしました。三石議員は現在県議会副議長。

この事件は同署留置管理課(当時)に所属していた50歳の巡査部長が、逮捕(6月7日)直後の6月9日から23日までの間に、女性被告と2人だけになった時に金網越しに指切りをしたり、食事を差し入れる穴から手を握るなどの行為を繰り返し、「出所後に待っている」などと声をかけて、自らの携帯電話番号を書いたメモを渡していたというもの。 

県警本部はこの巡査部長を「捜査の結果、犯罪行為には至らない」という判断で刑事事件としては立件せず、規律違反により給与の1割カット×3カ月の減給処分にしたことを、この日の県議会総務委員会に報告しました。

三石議員の発言は以下。「あえて言わせてもらったら、この女性ですね、女性。新聞やテレビの報道で見たり聞かせていただいてますけど、女性も女性でないかという気がうんとするんですね。実際の話。陥れるというかね、というのはなかったんですかね」。

三石議員の発言に対し、武石利彦総務委員長が制止しようとしましたが、三石議員は「いや一言、一言」と振り切って発言を続けました。

警察が取り調べ中の被疑者を密室で長期留置する=「代用監獄」が冤罪の温床となり、警官による被留置者への違法行為・人権侵害が後を絶たない実態の抜本対策が全国的に急がれています。三石議員の女性被告に問題があったとする低レベルな認識は、県議会を代表する要職である副議長としての適格性を問われるものです。

発言を聞いた他の議員からは「常軌を逸した発言」、県内で活動する法律家は「根拠もなく議員が議会でそのようなことを言うのは許されない。密室での違法行為は数知れず、このような事例は氷山の一角だ」と話しました。

この女性被告は高知市小石木町の市営住宅で、就寝中の夫にガソリンをかけ焼殺した容疑で逮捕され、高知地検は被告の精神面が不安定で刑事責任を問えない可能性があったため精神鑑定をした結果、責任能力があるとして9月30日、殺人・放火の罪で起訴しています。(2011年10月27日 高知民報)