2011年8月14日

違法献金 自民党県連ぐるみ 韓国系パチンコ業者から

西森潮三・高知県議(自民党)が代表を務める自民党高知県高知市第一支部、自民党高知県支部連合会、福井照衆議院議員が代表を務める党支部が、韓国籍の人物が経営する県内企業から多額の政治献金を受けていたことが判明。一県議にとどまらず県連ぐるみで違法献金を受け取っていた実態に同党県連が揺れています。

発端は沢山保太郎・前東洋町長の告発で、西森県議が代表の「高知県高知市第一支部」が、韓国籍の人物が経営する企業から献金を受けていたこと、同支部が受けた献金の大半を任意団体に横滑りさせていることは法が禁じた迂回献金にあたることなどを7月7日に高知地検に告発し、インターネット上で告発内容を公開しました。

献金したのは株式会社・慶尚(山本文吉社長、高知市和泉町)で、パチンコ店、焼肉店、カラオケ店などを経営するセントラルグループの中核企業。山本社長は同社株の過半数を所有しており、報道の取材に、自ら韓国籍であることを認めていることから、外国人からの献金を禁じた政治資金規正法に違反することは明白です(50万円以下の罰金、3年以内の禁固、献金した側には罰則なし)。

県選挙管理委員会に提出された「政治団体の収支報告書」によると慶尚は、自民党高知県高知市第一支部に2006年100万円、07年150万円(写真)、08年400万円、09年300万円を献金。さらに07年3月14日には同党県連が慶尚から500万円を受け、翌15日に高知県高知市第一支部に同額を「交付」するという、県連の看板を利用した露骨な迂回献金も行われていました。

7月29日の「高知新聞」が、これらの内容を報じ、8月6日には福井照衆議院議員(高知1区)が代表を務める自民党高知県第一支部が慶尚から750万円を受け取っていたことも記事に。指摘を受けた西森県議と福井衆院議員は「社長が韓国籍であることを知らなかった。返金する」としていますが、この違法献金は議員の個人レベルにとどまらず、自民党全体の問題となる様相を呈しつつあります。

西森県議は県議会公共交通問題調査特別委員長や高知医療センター病院組合議会議長などの要職を務めていますが、県議会内では「議員辞職もやむを得ない」という声が聞かれ、日頃から西森議員を快く思わない自民党議員などから辞職勧告を求める言動も目立つことから9月議会に辞職勧告決議案が提案される可能性もあります。

慶尚からの献金はいずれも「政治団体の収支報告書」に記載され、企業名も明らかになっていることから、議員側も慶尚側も本当に違法性の認識がなかった可能性もあります。

自民党は菅直人総理と前原誠司元外務大臣が韓国籍の企業経営者から献金を受けていた問題に「返せばすむ問題ではない。この問題を徹底的に追及する」と声を大にして攻撃してきた経過があることから、どのような対応をとるのかが全国的に注目を集めそうです。(2011年8月14日 高知民報)