2011年5月15日

原発依存から脱却 安全な新エネルギーへ転換すべき 尾ア高知県知事

  原発について発言する尾ア知事(4月28日、高知県庁)
尾ア正直・高知県知事は4月28日の定例記者会見で、原子力発電所の安全性確保とエネルギー政策の今後について発言し、原子力発電依存からは脱却していくべきであるとの見解を表明しました。知事の発言の要旨は以下。

尾ア 福島第一原発の津波の想定が5・7メートルで、それに備えてやってきたが、超えるものがきたなどというのは言い訳にならない。

原発という、いざとなったら甚大な被害をもたらしかねない危険な施設。津波想定が5・7メートルだったら、その3倍くらいきても大丈夫というくらいの対応をするのが当然だ。要になる危険度の高い施設では、想定よりはるかに余裕のある備えを今後はすべての基本にすべきであり、全国の原発もそういう視点で見直してもらいたい。

いきなり稼働している原発を全部止めることは現実的ではないとは思うが、だんだん原子力発電から脱却していく方向を国全体としてめざしていかなければならない。

そういう中で主力になるのが新エネルギーだ。新エネルギーは発電量が小さいので原発の代替にならないといわれるが、どんどんウェートが高まってきている。

ピーク時の電力をどうカットするか、節電技術を徹底し、木質バイオなどへの転換、火力発電への置き換えなど、いろんなことに知恵を絞って、できるかぎり安全なエネルギー確保を考えていくべきだ。
 
他に尾ア知事は、「社会保障と震災復興の財源・税制のあり方は区別すべきだ」と述べ、震災復興の財源のために消費税率を引き上げる議論には慎重な姿勢を示しました。また休日高速1000円の撤廃については「やむを得ない側面はあるが、非常に経済効果が大きく、移動コストをいかに下げるかが復興においても重要であり、経済効果が高く、結果として東北を応援することにつながる高速道路料金体系を訴えていきたい」と述べています。(2011年5月15日 高知民報)