2011年4月17日

終業式に採用審査なぜぶつける?一転日程変更 県教委

3月29日公表された平成24年度県教員採用審査の一次審査日程が7月20日から始まることになっていたことに対し、小中学校に着任中の臨時教員が受験をする場合には終業式に出席できなくなることから高知県教組が日程変更を申し入れた問題で、高知県教育委員会は4月1日、審査日程を7月21日からの開始に変更しました。日程公表後の変更は極めて異例ですが、県教委事務局と学校現場の乖離ぶりを象徴する出来事といえます。

日程変更の理由について県教委教育政策課は「終業式のことは分かっていた。優先順位を協議した結果なんとかできるだろうと判断して7月20日にしたのだが、考えに甘さもあった。大事なのは学校現場であり子どもなので、優先順位を考え直した」とコメント。

少なくない臨時教員がクラス担任を持たされており、終業式の日に一人一人の子どもに成績表を担任が声をかけながら手渡すことは、一学期の締めくくりの重要な教育活動。県教組が3月30日に県教委に日程変更を緊急に申し入れ、他の教育関係者からも「県教委は何を考えているのか」との批判がおこりはじめたことから、わずか3日間で日程を変更するというドタバタぶりでした。

「優先順位を考え直した」という県教委の見解は、7月23日から25日まで開催される県中学校総合体育大会との重なりも考えてのことと思われますが、部活動のために本来の教育活動をおろそかにするのは本末転倒であるといえます。(2011年4月17日 高知民報)