2011年3月26日

手続きの誤り指摘し委員が抗議 「県政上の汚点 名前外して」 新図書館検討委

3月26日に開かれた新図書館基本構想検討委員会で、県・高知市が検討途中の段階で追手前小学校跡地に合築する予算を計上したことに対する吉沢文治郎委員の発言要旨は以下。

私は初めに結果ありきなのであれば委員はやらないと言って委員を引き受けた経緯がある。

図書館のあり方、機能については非常に意義のある委員会だったと思う。そういう意味ではここに参加させてもらったことを誇りにすら思う。

しかし、やり方については納得できない。この手続きは県政史上、高知市政史上に汚点を残した。パブリックコメント募集中に予算を出したことを知事は「異例ともいえる2回のパブリックコメントをやった」と言ったが、1回目はほとんど知られていないし、2回目はまだ終わってもいなかった。

検討委員会が続いている中で予算をあげることは、土佐弁でいうところの「わやにしちゅう」だ。知事答弁は「追手前小跡地での合築という基本は変わらないと教育長から聞いている」。

「なんだそれは。それなら二人で勝手に決めたらえい。我々に議論させるな」と思ってしまった。

「結論ありきでやるんだろうな」と初めから薄々は感じていたが、ここまであからさまにやられるとは思わなかった。このやり方はあまりにも失礼だ。私には我慢ができない。

報告書の名簿から私の名前を外してほしい。

これは自分の意見が通らなかったから言っているのではない。手順の間違い、行政の思惑だけですすめることへの抗議だ。

大事なことは自分たちの子や孫が高知に住んで良かったと思える街を作っていくこと。目先も大切だが将来の高知をどうするかを愛を持って考えてほしい。よさこいにしてもひろめにしても、「お上」が決めたのではない。街を愛する人たちから沸き上がってきたものだ。簡単に思いつかないでほしい。

経済界の人間は、今日明日の飯を食うための発想をする。それはしかたがない。彼らの声は大きいが、沸き上がってくる声に耳を澄ませてほしい。この汚点を教訓にしてほしい。

これからの高知がよくなるためには、こんなことをしていてはいけない。こんな手順、こんなやり方をしていくと僕の愛する高知がわやになっていく。(3月26日 高知民報)