2011年2月13日号掲載

追手前小は適地ではない 地元委員4人が反対意見 第6回新図書館検討委

高知県立図書館と高知市民図書館本館を高知市立追手前小学校跡地に一体的に整備する基本構想をつくる「新図書館基本構想検討委員会(宮地弥典委員長)」の第6回委員会が2月5日に開かれ、中間報告書案が討議されましたが、事務局側が記載していた「同小跡地は新図書館整備に必要な条件を満たしていると考える」という記述に4人の委員が反対意見を述べました。また駐車場の台数や有料化の是非などについても意見が真っ向から対立し、新図書館を整備する上の重要な点で一致点が見いだせませんでした。

この日、事務局が提案した中間報告案には、当初県・高知市の事務局が目論んでいた「合築は望ましい」と結論付ける表現のトーンは薄まり、敷地の狭さの指摘や景観上の不安要素などを一定書き込んだ両論併記的な記述が目立つ構成に。しかし、同小跡地東半分(約5000平方メートル)の建設用地の評価を、「必要な条件は満たしている」と結論付けて記載していたことに、高知市の実状をよく知る4人の委員が、「満たしているとは言えない」と反論する場面があり、事務局が記載を再度書き直すことになりました。

用地の適性についての討論要旨

川田恵美子・高知市PTA連合会副会長 どうしても駐車場の進入路や景観のことを考えると「満たしている」と言われて「はいOK」とはいえない。

吉沢文治郎・ひまわり乳業社長 「検討委員会として満たしていると考える」と言われると、「僕は検討委員やけど違う」となる。満たしているとは考えていない。

宮地弥典・検討委員長 この委員会は多数決で決めてよい委員会ではないので、懸念・反対する意見は必ず併記していく。

吉本寛子・土佐市立図書館長 (川田、吉沢委員と)同じように感じている。

森尾靖子・高知市民図書館協議会委員 私も建設場所についての記述は削除してほしい。

川田米實・土佐町教育長 条件を満たしていないとはいえない。

中沢卓史・県教育長 論拠を明確にしてもらわないと次のステップに進みにくい。そこをはっきり言ってほしい。

宮地委員長 それは今まで随分と発言している。

中沢県教育長 吉沢委員の意見は分かっているが、皆同じなのか。

川田恵美子・高知市PTA連合会副会長 今でも土日祭日、特に日曜日は日曜市があるので混雑している。その中に車がまた入ってくることが気になる。日曜市とどう調節するか分からない以上、不安が残る。場所の狭さプラス交通の乗り入れ、大きな建物が建つことへの不安がある。

黒田直稔・高知市政策担当参事
 必要なら敷地にセットバックをとり、警備などのソフトとの両面で最適な方法を検討しているので理解してほしい。

宮地委員長 答えになっていないかもしれないが、県市で責任を持ってやるということにしたい。

吉本・土佐市立図書館長 進入のこと、建物が高層化すること、日曜市のこと(が懸念材料)。県市が一緒に入るのであれば敷地がゆったりしていない印象がある。(2011年2月13日号掲載 高知民報)