高知県が家賃、改装費など5年間で6億円以上の県費を投入し東京銀座1丁目に開店したアンテナショップ「まるごと高知」は開店から4カ月になろうとしていますが、物販部門の苦戦が続いています。アンテナ店を運営している県地産外商公社と県産業振興推進部は12月1日、8月21日の開店から11月末までの「まるごと高知」の業績をまとめた「まるごと高知レポート」を公表しました。
同レポートによると「11月末までの売り上げは、1億3773万円、来店者は26万7000人を突破、10月までの収支は2000万円の黒字。テレビへの露出をCM料金に換算すると10億3000万円を超える」などと順調さを強調していますが、物販部門の来客数と売り上げの推移を週ごとに集計して1日の平均を出すと(グラフ参照)、8月の開店直後からずっと「右肩下がり」の傾向が脱しきれておらず、低迷は深刻な状態。 とりわけ9月以降、大半の週で目標にする来客数をクリアすることができずに、10月以降は売り上げの「ノルマ」(※)である1日81万2000円を一度もこえたとがないという状況です。
これまで県産業振興推進部では「9月はどこの商売も悪い時期。年間延べれば目標は達成できる」と強気の説明をしてきましたが、11月までの現実は、開店直後の「貯金」と比較的好調な飲食部門を物販部門が食いつぶしているような状態になっています。
※店を運営する県地産外商公社が商品の仕入れ、人件費などを支払い家賃の負担分として県に年間3100万円を上納するため必要な最低ライン。未達成分は税金で穴埋めされることになる。(2010年12月19日 高知民報)
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