2010年11月7日

生活保護費を団体が一括管理 「ひかりあれ土佐」 東北などから10人 高知市は容認

高知市桟橋4丁目 「ひかりあれ土佐」
那覇や仙台でアルコール依存症などからの「更正」のためと称して集団生活させ、受給した生活保護費を一括管理、受給者本人にはわずかな現金しか渡さないことが問題になった団体「ひかりあれ」が高知市でも活動していることが分かりました。

この団体の名称は「ひかりあれ土佐」(高知市桟橋通4丁目)。帯屋町で配布していたチラシによると酒、薬、ギャンブル依存症など嗜癖障害のリハビリをするとしており、街頭でホームレス風の人にチラシを配りながら声をかける手口で勧誘しています。

那覇や仙台では東京などからホームレスを連れてきて生保を受けさせることが問題になっていました。

取材に応じた前田繁治・四国地区代表ひかりあれ土佐責任者は「高知では4月からスタートした。市役所にも相談している。午前は復帰プログラムにそったミーティング、午後は作業をやり、食事は当番で三食自炊。生保の手続きはこちらで行ない、全額預かる。住むところも用意している。入所者は現在10人。東北出身者が中心」などと説明しました。

保護費を全額預かるのは問題がある、那覇市では市役所の指導で存続できなくなったとの質問に対し、前田責任者は「それはおたくの考えだ。(高知市)役所は認めてくれている。やめたのは那覇だけ。他では問題なく存在している。全国には430人の利用者がいる」と話しました。  
「ひかりあれ土佐」への電話取材記録(10月28日)

−−貧困ビジネスで問題になった那覇や仙台とは別グループか。

ひかりあれ うちでは貧困ビジネスはやってないが、同じグループ。昔は日本MACだ。

−−那覇・仙台と高知でやっていることは同じか。

ひかりあれ 高知でもやり方は同じだ。

−−生活保護費は全額預かるのか。

ひかりあれ そうだ。受給者にはまったく渡さない。

−−通帳を預かっているのか。

ひかりあれ 通帳は作っていない。現金で納めてもらう。生活費、食べるものや着るものだ。何が悪いのか。


グレーゾーンなので気を付ける 高知市生活福祉課の見解 

開設前に「ひかりあれ」側から県外から連れてきた人を、相部屋の住居で生活保護申請をすることは聞いていた。相部屋はプライバシーの問題があるのではと思い、県や国に問い合わせたが問題ないとのことなので保護費を支給している。ケースワーカーが訪問して、実態は確認している。

保護費を団体に全額預けていることは知っているが、個人に渡した金の使い道まで役所がとやかくは言えない。

はじめは出納の内訳を提出するように求めていたが、厚生労働省に問い合わせると、そこまではできないということだったので、今は特に何も求めていない。アルコール依存症更正のプログラムはやっているが、グレーゾーンなので気を付けていく。(2010年11月7日 高知民報)