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須崎市民文化会館のWEBサイトから |
日本の侵略戦争を否定し、コミンテルンのスパイがハルノートを書いてアメリカへ先制攻撃をさせたなどという特異な歴史観にもとづく論文を公表し、航空自衛隊幕僚長を解任された田母神俊雄氏の講演会が、須崎市立市民文化会館が9月20日に計画しています。侵略戦争を否定し核武装や改憲を声高に主張する人物の講演会に行政がかかわることは全国的にも珍しく、市民から批判の声があがっています。
講演会の主催は同市立市民文化会館、須崎青年会議所、須崎商工会議所の三者。後援は須崎市、須崎市教育委員会、高知新聞、高知放送、テレビ高知、さんさんテレビ、エフエム高知、よさこいケーブルネット(NHK高知放送局は却下)。
同市教育委員会生涯学習課は「市民文化会館の管理運営は指定管理者の須崎商工会議所がやっている。この講演会は『今の情勢を鑑み将来の日本を考える』という3回シリーズの館の自主事業で、市と市教委はこれを後援している」とコメント。
指定管理者の「自主事業」であることを強調していましたが、指定管理者とは市の公の事業を民間に代行させるもの。事業実施のための経費も管理委託費に含まれており(約300万円)、館の名前で取り組む事業は、須崎市の意思そのものといえます。「自主事業と市の関係が市民に分かりにくかったかも知れない」(同市教委関係者)。
同市議会の6月議会では、市・市教委の後援取り消しを求める決議が賛成多数で可決され、市民の意思が示されているにもかかわらず、笹岡豊徳市長は後援撤回はしない構え。
撤回を求めた市議によると「市長の本音は、『私が知っていれば後援させなかったが、ここまできたら今更撤回はできない』というものではないか」。
田母神氏は自民党政権時代、憲法遵守義務を負う公務員として不適切な行動をとったことから幕僚長を解任された人物。このような人物を自治体がかかわる行事に招くことは異様であり、県民的に批判が起こるのは必至。後援をしているマスコミ各社もその見識が問われるのではないでしょうか。(8月8日 高知民報) |