高知県立図書館と高知市民図書館を同一の建物に並存させる合築の是非の結論を出すタイムリミットが迫っています。8月下旬に予定されている県・高知市のトップ会談で方向性が示される可能性もあります。広範な図書館関係者らがが中心となって合築に反対する市民運動も動き始めました。
6月17日の県議会総務委員会では県立図書館の移転改築について質疑があり、委員から高知市との合築構想に批判的な意見が相次ぎました。坂本茂雄(民主党・県民クラブ)、塚地佐智(共産党と緑心会)、池脇純一(公明党)委員が、高知市との協議の状況を正し、図書館現場で合築に否定的な報告書が出ていることを県教委は尊重すべきだと指摘。
「県立図書館の果たすべき役割は高知市だけではない。県としての機能をもっと主体的に考えるべきだ」(坂本委員)、「専門職の図書館現場からは図書館サービスを向上させていくうえで合築にメリットはなく単独整備が望ましいという現場の声を尊重して、単独整備の方向を出すべきではないか」(塚地委員)、「現場の意見を大事にして重く受け止めるべきだ。電気代を節約するために資料室の空調を切っているような図書館は見たことがない。何年も前から整備が言われているのに前に進んでいない。道を誤っている」(池脇委員)。また最大会派の自民党にも、合築に批判的な動きがみえています。
中沢卓史・県教育長は「まだスケジュールがはっきり決まっているわけではないが、今年度中には単独整備か合築かの判断をしなければならない。現場の意見だけでなく、行政として物事を決めていく時には総合的な判断をする。方向性は決めているわけではない。図書館の整備はどちらにしても必要」と答弁しています。
合築に積極的な立場の県教委幹部は「8月のトップ会談には間に合わないかもしれない。県議会の動向が気になっている。用地がないので追手前小跡地にこだわっているわけではなく、東西軸エリアとして考えるなら有力だといっているので、外に出れば安い土地もある」とのべました。(2010年7月25日 高知民報) |