2010年7月18日

意見書採決でミス 高知市議会

共8、自5、市ク9賛成多数だったが否決された
6月24日に閉会した高知市議会で、意見書議案の採決時に、議長が可否を誤って宣告し、賛成多数であるにもかかわらず否決されるハプニングがありました。

この意見書は日本共産党が提案した「官房報償費の実態の公開を求める意書」。前鳩山政権下で4、5月の2カ月間に3億円支出されている官房報償費=機密費の使途を国民に明らかにすることを菅直人総理に求める内容。

採決結果は、意見書に賛成して起立した議員が日本共産党8人、自民みらいの会5人、市民クラブのうち岡崎豊議員以外の9人、合計22人でした(写真)。

この日、本会議に出席した議員は44人。うち採決に参加したのは議長を除く43人であり、起立議員が過半数に達していましたが、水口晴雄議長は「起立少数であります。よって本案は否決されました」と宣告しました。

賛否が拮抗したため議長が人数を数えるのに手間どったこともあって、「起立少数」という宣告に「ほんまかや」という疑問の声が議場から上がりましたが、会議規則に定められた正規の異議申し立てはなく、否決が確定しました。

水口議長は7月8日、「数え間違いではないのか」との取材に対して「慎重に数えており、(起立少数の宣告には)自信がある」と話しています。

議案の可否の判断は最終的には議長の権限であり、勘違いによるものであったとしても、否決という結果は有効で覆ることはありません。議案の可否を決めるという、重い権限を持つ議長の職責が、極めて脆弱な裏付けしかない現実が浮き彫りになったといえます。

起立採決時の議案の可否は、議長が議長席から数えて判断しています。今回のようなミスを回避するために投票による採決も可能ですが、数十本もある議案採決を、そのつど投票で行なうということは現実的ではありません。各議員の採決時の対応結果が市民に明らかにならない実態の改善と合わせて電子採決などの手法も含めた検討が求められているのではないでしょうか。(7月18日 高知民報)