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6月3日の病院企業団議員協議会 |
PFI契約を解除し、新たなスタートを切った高知県・高知市病院企業団立「高知医療センター」の22年度第1回議員協議会が6月3日に開催されたが、これが実に常軌を逸したものだった。
この協議会は元木益樹(県議)、樋口秀洋(県議)、浜川総一郎(高知市議)、西村和也(高知市議)4議員の求めで開かれた。議題は4議員が指定した同センターの物品管理業務委託業者の公募について。
この公募はSPC=オリックスに代わり病院企業団が、薬剤や診療機材など物品管理業務委託をプロポーザル(業者の企画提案型)で発注するものだが、基準を満たす業者がなく不調となり選定がまだできていない。
公募期間が短かすぎるなどの企業団側の不手際もあり、説明会に参加しながら応募しなかった業者、辞退業者が出るなど、改善すべき点が明らかになっている。これを改善して、より公正に業者を選定すればよいわけだが、協議会の議論はそのようなものではなかった。
3時間以上続いた協議会の大半を元木議員が発言した。その内容たるや山崎隆章企業長と業務委託を担当した企業団職員への執拗な個人攻撃に終始。「●●は企業と不適切な関係にある。癒着している」(実際には実名)、「適当なことを言うな」、「アンタまっこと勉強してないね」。
まわりくどくてよく分からなかったが、要するに企業団が一部業者と結託し、公募の要求水準を不必要に高くしているために、仕事がとれないという地元業者の不満の代弁にしか聞こえない。
元木議員は企業長に、この業者と連合を組み今回の公募に参加した(途中で辞退)大企業Mの話を聞くよう働きかけをしていたことも隠そうとしなかった。「なぜ一流企業の話をもっと聞こうとしないのか」と。
病院議会議員という立場にある者が、特定企業の斡旋まがいをすることが許されるのか。あまりに露骨な言動は不可解としか言いようがない。さすがに他の議員も嫌気が差したのか「いいかげんにしろ」という声、くるりと背を向け議事に参加しない議員など、協議会の体をなさないような状態が生まれた。
元木議員らは後日、臨時議会を再召集してさらに追及するとしており、「企業長を不信任する」との声も聞かれる。
このような圧力に企業団が毅然とした態度をとることは当然だが、同時にPFI後の高知医療センターのあり方に県民的な監視を強める必要があるし、構成団体である県・高知市のしっかりした対応が求められる。(ひ)(2010年6月13日 高知民報) |