2010年6月6日

三嶺一帯の笹衰退深刻 35回清掃登山 128キロのゴミ下ろす

ササが消滅し土が流出してる斜面(綱付新道)
 県民に豊かな自然が残る山として愛されている三嶺(1893メートル)周辺の環境を保全するため実施されている「三嶺清掃登山」が5月30日、香美市物部町の三嶺一帯で取り組まれました。今年は第35回目。主催は三嶺を守る会(山本正彦代表)。

高知勤労者山岳会、あるぷHC、りんどう山の会、山の会あらぐさ、高知大・高知女子大WV、四国森林管理局などの73人が白髪山・三嶺・天狗塚・綱付森付近に入山して清掃作業に取り組み、登山道や避難小屋周辺などから約128sのゴミを回収しました(昨年は75s)。

清掃登山と並行して同山域で深刻化しているニホンジカの食害調査を実施。大規模に広がっているササ枯れや樹木などの被害の実態をいっせいに調査しました。

調査の結果は守る会がデータを集計分析して後日公表することにしていますが、綱付新道から綱付森を往復して清掃と被害調査に取り組んだ高知労山の参加者は、「最近シカが入った痕跡はなく、群は違うエリアに移動している印象を受けたが、林の下草も笹も消滅しており土砂が流れ出ている状態。稜線部のササ枯れは深刻で、山頂部に少し緑の部分があるが、高度が下がると壊滅的だ」と話しました。(2010年6月6日 高知民報)