国の「特定不妊治療助成事業」(1回15万円上限)に高知県が独自に5万円を助成している上乗せ制度から、中核市であることを理由に高知市が除外されたことに対し、岡崎誠也高知市長は6月市議会に県がカットした5万円分の助成を市単独で肩代わりする予算を計上することにしていますが、予算化の理由として市側は「県知事と他事業に波及させないことが確認できた」という合意の存在をあげています。しかし、この「合意」は文書化されたものではなく、他事業にひろがらないという担保にはなりえないものです。
坂東隆志・高知県健康政策部長は「話に同席していないのでどのような話がされたのかは分からないが、他事業の県助成を将来も維持することを確認したものではないのではないか。そのような指示は聞いていない。トップ同士の話の中で、高知市がそのような受け止めをしているということだろう」とコメント。
市健康福祉部関係者は「特定不妊治療事業だけならよいとしても、乳幼児医療助成など他事業に広がらないような手立てをもっととるべきだったと思うが、文書化されておらず紳士協定でしかない。上が決めてしまったものはしょうがない」と市長の判断に苦言を呈しました。
県の「中核市外し」を厳しく批判する意見書を全会一致であげた市議会の動向も注目されますが、新風クラブの中沢はま子議員は「県が出さないというのであればしかたがない」、日本共産党の迫哲郎議員は「全会一致の議会の決議は重い。意見書の趣旨を生かして県に納得いく説明を求め、現行制度からの後退を許さない覚書締結をすべきだ」と話しています。(2010年5月26日 高知民報)
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