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「人権教育」の提案授業を見学する教員 |
南国市広報「なんこく」に掲載された同和問題特集に偏見を広げる不適切な記述があるとして2月4日、県人権共闘(窪田充治代表)は藤村明男・副市長に是正を申し入れました。
問題になったのは昨年の広報12月号。内閣府の「同和問題に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思いますか」(下線は高知民報)との意識調査結果を用い、現在も部落差別が頻発していると断定して、インターネット上の差別的な「噂」を事実であるかのように紹介した個所でした。
鎌田伸一・副議長が「調査は『思い』を質問しているのに、広報では実際に部落差別が『起きている』と書いている。いつどこでおきているのか」と指摘。「実際には児童生徒の落書きや一部の不心得者の発言ばかりで南国市民に部落差別がまかりとおる状況はない。終結宣言(※)をした南国市が広報で偏見をまきちらし、解決に向かっている意識を引き戻すことをすべきでない。善意であっても逆効果だ」と強調しました。
藤村副市長は「記事は人権啓発広報委員に頼んで書いてもらっており訂正はできないが、意見を聞かせてもらい是正すべきところがあれば是正していく」。担当者は「ネット上の不正確な情報を鵜呑みにしないようにという意味で載せた」などと述べました。同市教委生涯学習課によると人権問題のページの執筆は市役所内外(高専教授、中学校教員、市職員)5人の人権啓発広報委員に委託しています。
※平成8年6月議会で「同和行政の終結、人権と民主主義の確立に関する決議」として全会一致で議決している。(2010年2月14日 高知民報) |