2010年2月7日

米イージス艦が3度目の宿毛入港 ミサイル巡洋艦レイク・エリー 「軍港化反対」抗議集会に150人
池島岸壁に接近するレイク・エリー(2月1日、8時40分頃)
入港に抗議するデモ 、豆まきのパフォーマンスも
宇宙空間の標的をミサイルで撃ち落とす能力を持つ米海軍ミサイル巡洋艦レイク・エリー(米第7艦隊所属、母港ハワイ)が宿毛湾港池島岸壁に2月1日午前8時40分頃、県民の抗議の声の中、入港しました。

 レイク・エリー(CG70、排水量9600トン)は、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦でBMD(弾道ミサイル防衛計画)に組み込まれた最新鋭のイージスシステム(※)とスタンダードミサイル(SM2、SM3)、トマホークなどを装備。2008年2月20日には太平洋上からスタンダードミサイルを発射して制御不能になった人工衛星の撃墜に成功した最前線で活動する艦です。

米イージス艦の同港寄港は08年5月のミサイル駆逐艦オカーンに続き3度目(昨年のキッドの寄港打診を含むと4回目)。寄港目的は「親善友好」などとされていますが、レイク・エリーは1月19日から29日まで横須賀に入港しており、補給や休息の必要はなく、BMD計画やリマ水域での演習と一体化した宿毛湾の恒常的利用にむけての入港の既成事実化が狙いだと考えられます。

艦内で記者会見を開いたロン・ボクソール館長(大佐)は「我々の訪問は日本と東アジア全体に対するアメリカの責務の定期的な実証。(本艦は)最新鋭の能力を持つ戦闘艦でBMD能力が非常に優れている。海上自衛隊と演習を行ない、つながりを深めて太平洋の平和と安定に力を入れる」、ラッセル・オカーンとイージス艦の宿毛寄港が連続していることについては「ラッセルやオカーンとはBMDで一緒に行動しているが、宿毛を拠点にする考えはない。日本の軍港は横須賀、佐世保。たまたまイージス艦が続いただけ」などと述べました。

※高性能レーダーとコンピューターを用いて艦隊全体をネットワーク化し、ミサイルや航空機からの攻撃を迎撃するシステム。

米海軍ミサイル巡洋艦レイク・エリーが入港した宿毛湾港では2月1日、「宿毛湾非軍事ネットワーク」が呼びかけた抗議集会とデモが150人の参加で取り組まれました。

主催者を代表して宿毛湾非軍事ネットの松浦英夫氏が「尾崎県政が非核証明書が最低条件であるとの申し入れに対し、外務省の核搭載能力はないとの口頭説明を根拠に核搭載疑惑があるイージス艦寄港を容認したことに強く抗議する。毎年のような宿毛寄港は、恒常的にイージス艦の基地にすることを狙うもの」とあいさつ。

オバマ米大統領、駐日米国大使、尾崎正直県知事に対し「核兵器搭載の有無を不明確なまま宿毛湾入港を強行したことは友好親善に背く行為。私たちは宿毛を米軍基地にすることを断固拒否する」との抗議文を決議し、港内を「宿毛湾の軍艦はいらない」、「U・S NAVY GO HOME」とシュプレヒコールしながらデモ行進。節分にちなんで豆をまくパフォーマンスも行なわれました。

抗議行動に初参加した中内愛さん(26歳、高知市)は「大きさと威圧感に圧倒された。ミサイルを積んだ軍艦が高知県内の港に入ってくることに怖さを感じる」と話していました。(2010年2月7日 高知民報)