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報告学習会の会場、最前列には解同幹部が並ぶ(1月21日、四万十市) |
四万十市は2008年10月に同市内の民間企業内であった部落問題に関する「差別発言」(※)についての「報告学習会」を1月21日、同市文化センターで開催しました。報告学習会には田中全市長が出席し「差別発言の発生は申し訳ない」と陳謝したものの、市側が司会を行い、部落解放同盟の執拗な企業名公表の要求に応じないなど、市としての主体性を堅持した対応をとりました。
報告学習会の主催は四万十市。同市は事前に日程を市民や市議会議員、各種団体、市職員、教員、報道機関などに公表して市民にオープンな形で開かれ、四万十市の田中市長、杉本整史副市長、沢田俊典・人権啓発課長に加え、宿毛市と黒潮町の幹部も出席。解同県連や同地区連絡協議会の構成員、市職員など約100人が参加しました。「報告学習会」は市職員や教職員の「自主研修」として位置づけられていましたが、「動員はかけていない。来ていたのは10数人程度ではないか(沢田課長)」。
冒頭あいさつで田中市長が「部落差別が今なお本市に存在している現状から人権教育・啓発に新しい事業を工夫し展開していく」と発言し、沢田課長が「差別発言」の内容を詳細に確認する報告が行ないました。
会場の最前列には山戸庄司・県連書記長ら部落解放同盟幹部が並び、市の報告が発言があった企業名を伏せていることに対し、『企業名を公表すべき」、「日を改めて再度『学習会』を開催せよ」などと繰り返しましたが、市側は「相手企業の了承がなく公表はできない」、「これで終わりにしたい」と拒否。「企業側も反省して改善の努力をしている。さらに制裁を加えるようなことを市としてすべきでない」(田中市長)
解同側の参加者が立ち上がって「今から電話をかけて企業を呼んでこい」などと大声を出す場面も一部にありましたが、公開の場であることもあり、取り立てて威圧的な言動はみられませんでした。
※2008年10月に四万十市内の民間企業内で黒潮町で起こした客とのトラブルに関連し、差別的な発言があったというもの。同年11月から09年1月にかけて宿毛市、黒潮町、四万十市の担当者が同社に聞き取り調査を行い、企業側から「表現が適切でないことを痛感する」、「従業員の教育ができず迷惑をかけた。職員の学習の場作りに努める」という反省の弁を得ており解決済の問題。
(2010年1月31日 高知民報) |