2009年12月13日

民衆酒場「つくし」が閉店 40年の歴史に幕

柳町の路地奥の「つくし」の看板
開店から40年、働く人達に親しまれた民衆酒場「つくし」(高知市帯屋町)が12月末で暖簾を下ろすことになり、名残を惜しむ声が寄せられています。

「つくし」は江の口川・高知橋の屋台からスタートし、1969年12月1日に現在の場所に開店。常連には県下の民主的運動を担う中核的幹部などそうそうたる顔ぶれが並び、ツケのきく安い店として、また店主の別役静代さんのさっぱりした人柄に魅かれた熱烈な「つくしファン」が多く訪れました。

96年2月には高知城ホールで「25周年を祝うつどい」を開催。夏冬の一時金の時期にツケの請求書と共に送られてくる機関紙「つくし」には、店の歴史がびっしり記録されています。75年には別役さんを座長に、常連客と「つくし座」を結成して20回にわたり宿毛市沖ノ島で公演するなど、ユニークな文化活動にも取組みました。

「つくし」の屋台時代に高知放送労組で解雇撤回争議をたたかった茂松延章さん(76)は、「人形劇の練習の帰りに屋台に寄ったのがきっかけ。争議支援カンパを集めてくれて、ありがたかった。『つくし』から民主的な運動が飲み屋を活用するようになりました」と振り返ります。

店主の別役静代さん(71)のコメント 山原健二郎先生の初当選とともにスタートした店で、お客さんの会話から社会のこと、人間としてどう生きなければならないかを教えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。40年の思い出は私の人生にとって大切な宝物となりました。(2009年12月13日 高知民報)