2009年12月13日

四万十市が「報告学習会」を予定 「糾弾会ではない。主体性もってやる」

四万十市は2008年10月に同市内の民間企業でおきた部落問題に関連する「差別事件」についての「報告学習会」を、市民及び関係団体等の研修の場として2010年1月21日に市主催で開催することにしています。田中全市長が就任してから、この種の「学習会」は初。

「事件」とは08年10月に四万十市に住んでいる会社員が、黒潮町で起こした客とのトラブルに関連し、社内で差別的な発言があったというものですが、「事件」後の08年11月から09年1月にかけて宿毛市、黒潮町、四万十市の行政担当者が同社に聞き取り調査を行い、発言したとされる社員から「表現が適切でないことを痛感する」、「従業員の教育ができず迷惑をかけた。職員の学習の場作りに努める」などという反省の弁を得て解決済みであるにもかかわらず、1年以上もたってから「報告学習会」が開かれることになります。

「報告学習会」は、市民・市職員・教員・市議、報道機関、部落解放同盟幡多地区連絡協議会らに参加を呼びかけており、この場で市側が、根深い部落差別→同和行政・人権啓発の不十分さ→啓発強化という趣旨の報告を行い、「なぜ差別が起きたのか」、「いかに市民の課題としてとらえるか」などの研修を行なう予定。

四万十市人権啓発課は「予定されていた報告学習会が延び延びになってきたもの。部落差別はまだ社会に残っているので研修の必要があると考えているが、あくまでも市主催の報告学習会であり、糾弾会ではない。進行は市が主体性をもって行なう。市職員には職務命令は出さない。自主的な研修として参加を呼びかけることになる」とコメントしています。(2009年12月13日 高知民報)