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ダム予定地で国土交通省の説明を聞く笹岡・党四国ブロック国政対策委員長(11月20日) |
民主党政権が打ち出した本体工事に取りかかっていない国のダム建設の一時凍結方針の対象に高知県内で唯一該当する宿毛市の横瀬川ダムの現状と問題点について11月20日、日本共産党が現地調査に入りました。調査には笹岡優・党四国ブロック国政対策委員長、田頭文吾郎・県議、大西正祐・党幡多地区委員長らが参加。国土交通省中筋川総合開発工事事務所(近藤秀樹所長)を訪れ、現地ダムサイト建設予定地を視察しました。
横瀬川は宿毛市から四万十川に流れ込む中筋川の支流。同ダムは治水(洪水対策)と利水を目的にした多目的ダムとして高さ72メートル、幅189メートルの巨大な堰堤を400億円をかけて築く計画(2015年完成予定)。今年度までに124億円が執行済みで、水没世予定の8戸の移転補償も終了していますが、肝心のダム本体部分の土地買収が難航し本体工事は未着手となっています、
国土交通省の係官から計画の説明を聞いた調査団は、@横瀬川上流の水をダムに貯めても中筋川全体に流れこむ水の一部でしかなく治水には限界がある、Aダムありきではなく河川改修や森林涵養に重点を置くべき、B同じ水系の中筋川ダムの工業用水、上水道などの利水用量が使われず余っており新たなダムは不要ではないかと指摘。
林良範・同事務所副所長は「我々は川の中の水だけのことしか考えない。川の外に降る雨は別次元で考える必要がある」、「中筋川の利水の未利用分の考え方について近く新しい数字を公表する」などと述べました。
現地視察を終えた調査団は田中全・四万十市長と同市役所内で懇談。田中市長は、同市の横瀬川ダムは必要であるという立場を説明しながら、「今回の事業凍結を機に、政府によって本当にダムに治水効果があるかどうか深いチェックが入るだろう。住民の声をもっと聞きたい」と話しました。
横瀬川ダム問題については1997年に日本共産党幡多地区委員会が「中筋川治水への提言」を公表。@河道改修を最優先、A水源地の山林を涵養する「緑のダム」への投資、B中筋川ダムの治水ダムとして利用する治水機能の向上により、新たなダムによらない洪水対策を提起し、ダム予定地の下流である横瀬地区内でシンポジウムを開催した経過があります。同地区委員会では、今後はアンケートにとりくみ住民との対話をすすめ、科学的なデータ分析、自然保護団体との共同をすすめていくことにしています。(2009年11月29日 高知民報) |