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高知県政の最重要課題とし地産外商公社が設立(8月3日) |
高知県は懸案の銀座のアンテナショップの具体像を明らかにし、11月県議会に関連予算を提案しましたが、家賃や店の改装費などに多額の県費をつぎ込む計画に先行きを危ぶむ声が出ています。
ショップは、銀座1丁目、リープレックス銀座タワーの1、2階、地下の3フロア(143坪)。
初期投資として改装費1億9500万円、開店イベント3100万円、仲介手数料や敷金6900万円などを、5年分の家賃として3億9100万円(年約7800万円)の予算を見込んでいます。岩城孝章・県産業振興部長は「このショップは県として設置するものであり、初期投資は県が負担する」。
県が設置したショップを借りて運営するのが、県が出資して作った県地産外商公社。県が負担する家賃のうち年3000〜4000万円を公社が「稼いで」穴埋めする計画です。公社にはショップ以外にも仲介斡旋、情報発信などの非収益部門があり、これらを含め、毎年の運営経費としての県費支出は約1億5000万円を想定。初期投資を合計すると5年で10億円の巨費が投じられます。
一方、ショップ運営を任され「利益」を出すことが至上命題の公社の重圧は相当なもの。とりわけ飲食部門のハードルが高いことが想定され、関係者からは「甘くない。計画は簡単ではない」との声も聞かれます。
浜渦達也・同公社事務局長は「売れるかどうか分からない商品を扱い、改良につなげるという政策目的もあり、黒字ならよいわけではない。ただズルズル赤字もいけない。迷惑をかけないようにしなければならない」。
ショップが「赤字」化した際のさらなる県費負担の可能性について岩城部長は「これ以上県費をつぎ込むことはないつもりでやる」。
尾崎正直知事は「従前から県がやってきた仕事が公社に移ることもあり実質負担額は年1億円程度。そう大きな額ではない。はるかに大きな効果がある(11月24日の記者会見)」と「採算」にこだわらない姿勢を強調していますが、巨額の県費を投入する事業である限りは、事業効果の厳格な検証、泥沼化を許さないルール化などをスタート時から明確にしておくことが肝要ではないでしょうか。(2009年11月29日 高知民報) |