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全国的にも珍しい「同和」を冠した課名 |
高知市は、来年度の機構改革で行なう部課再編の中で、現在の同和・人権啓発課(15人)と男女共同参画課(5人)を統合する新たな課の名称について、検討段階では「同和」を冠しない「男女人権擁護課」とする案が内部で提起されていたにもかかわらず、「同和」の文字を外すことができず「人権・同和・男女共同参画課」とする方針を固めました。
新課名について近藤昭仁・同市民生活部長は「『同和』を外した当初案は行革推進本部から事前の相談もなしにいきなりきた。市民生活部としては同和は必要であるという主張をして、再度入れてもらうようにした。部としての判断であり、解放同盟から何か言われているわけではない」と取材に回答。
同和・人権啓発課の上野昇一課長は「同和」の名を残す理由について「同和問題は高知市として何十年も一番力を入れて取組んできた人権課題。他の課題には名前を冠した課名がある(子ども、障害者、高齢者など)のに、『同和』を外すわけにはいかない」と話しました。
「同和」を冠した課名が県下で残存しているのは高知市のみ。全国的にも極めて少数になっています。根拠法が切れて8年。死語となりつつある「同和」を「男女」よりも前に冠するような課名では高知市の見識が問われるのではないでしょうか。
「機構改革」を束ねる行政改革推進課は「この課名でほぼ決まりだろう。正式には12月議会で条例が可決されてからとなる」とコメント。
部落解放同盟高知市連絡協議会は課名に限らず「同和」を外すことには事あるごとに抵抗感を示しており、8月7日に小高坂市民会館で岡崎誠也市長を先頭に高知市とともに開いた「確認・糾弾会」の場では、市役所に就職した同和地区出身職員の部落解放運動への取り組みの弱さを批判して執行部に揺さぶりをかけていました。(2009年11月22日 高知民報) |