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大量調理の問題点が報告された分科会(11月7日) |
11月7日、香南市の野市小学校で開かれた「語ろう学ぼう2009教育のつどい」(浜田百合子・集会実行委員長)で、同市ですすめられている4000食の県内最大の新給食センター建設を懸念する討論が同集会の特設分科会「学校給食を考える」で行なわれました。
分科会には県下の学校栄養職員らが参加し、同市内の給食の現状、大規模な給食センターの問題点についてのレポートを受けて討論しました。
この中で食数の多い給食センターの問題点について2000食以上の食数がある給食センターに勤務経験を持つ学校栄養職員が報告。「学校給食は午前中の3時間で作る。規模が大きくなれば、いくら設備がよくなっても、人がつくるものなので困難が出てくる。よい給食を作るには、どれだけ手間をかけるかが大事だが、食数が多くなれば、かけたくてもかけられない。現場の努力が形になりにくい。調理自体より、数えたり、配缶に時間をとられる」と大量調理の問題点を報告しました。(報告内容は後述)
@「学校給食の衛生管理の基準」にある「調理後2時間以内に喫食する」ことができない 揚げ物や焼き物の調理は9時頃からはじめないと人数分を仕上げることができない。
A地場産物を活用しにくい 一度に多くの量が必要なので生産者からの購入が難しい。高知県は学校給食で地場産物を使っている割合が全国2位となっており1位をめざしているが、これは大規模なセンターがないから。他県には5000食、10000食などというところもある。
B手作りを心がけてもメニューに限界がある 下処理に手間のかかるゴボウは皮をむいた製品を購入。カボチャやサツマイモもカットしたものを購入する。ジャガイモは機械で切るとつぶれてしまうので、肉ジャガの時は必死で芽をとったり包丁で切ったりと大変。どしても加工食品が増える。
C学校の行事に合わせてつくることができない 学校行事のために給食の時間を早くしたいという要望があっても、他校は通常であるため困難。行事に合わせた献立もできない。
D学校数が多いと食数の変更など事務処理が煩雑になる インフルエンザの対応で急な変更が相次いでいるが、事務処理に追われて他のことができなくなる。学校数が多いほど煩雑になる。
E異物混入や食器や個数物の不足 「なんで?」と思うような異物混入が起こることがある。不足の物があると持っていくのに時間がかかり学校に迷惑がかかる。
Fアレルギーの子どもへの対応に限界がある 保護者と毎月献立の材料について連絡を取らなければならないアレルギーの子どもはこれからさらに増えていく。10人になったら対応できないのではないか。弁当にしてもらうこともありうる。(2009年11月15日 高知民報) |