2009年11月15日

市民が使えぬ「高知市総合あんしんセンター」 誰の安心を守るのか?

完成間近の「総合あんしんセンター」 実質は庁舎の移転だ
高知市民病院跡地に50億円をかけて建設される「高知市総合あんしんセンター」(平成22年4月に完成予定)の姿がほとんど市民に知られていないことから、「高知城下町革新懇」(山本忠智代表委員)は11月6日、高知市丸の内の高知市保健所内で同市健康福祉部が同センターで提供するサービスの具体像について説明を受けました。説明の中では同センターができても市民にさほど恩恵がない実態が明らかになり、「『あんしん』を名乗るなら、市民が利用できる施設にすべきだ」という声が出されました。

明神公平・同市健康福祉部長らが提示した同センター建設の市民のメリットは、@医師会が開設している休日夜間急患センターの科目の充実、A歯科保健センター、薬局がセンター内にできる、B駐車場が広くなる、C保健所が一つにまとまることによる利便性向上など。

これに対し「休日夜間急患センターは鷹匠町で開設しているのが移転するものでしかない。中心街に居住する高齢者などの健康づくりのため、せめて夜間や休日だけでも市民が利用できるようにすべきだ」という意見が出されましたが、健康福祉部側は「このセンターは市庁舎なので、市民に開放する考えはない」。参加者からは「市民不在。誰の安心を守るつもりか」という批判の声があがりました。(2009年11月15日 高知民報)