2009年11月8日

「全国学テ」悉皆継続要望は四国一致せず 高知県の依存度突出「PDCAまわせない」

鳩山政権が「全国学力・学習状況調査」を来年度より悉皆から抽出に改める縮小方針を打ち出していることに対し、10月26日に高知市内で開かれた四国4県の教育長・教育委員が一堂に会した四国4県教育委員総会教育長合同総会で、悉皆調査の継続を国に要望するか否かが議題になり、中沢卓史・高知県教育長は「悉皆でなければPDCAがまわせないが現状で悉皆は困難。せめて40%の調査を」と主張したものの、他県から賛同の声はなく高知県の「全国学テ」依存の突出ぶりが浮き彫りになりました。

悉皆調査の継続要請には徳島県が反対。抽出サンプルを40%にするという高知県の提案についても「メリットがない」「10%でよい」など香川、愛媛県から批判的な声が相次ぎ一致点が得られず、4県の意見集約はできませんでした。

各県教育長の発言要旨は以下。

高知県(中沢卓史教育長) 基本スタンスは悉皆調査を続けてほしい。国は抽出でよいかもしれないが、地方や学校は悉皆でなければPDCAサイクルがまわせない。ただ現在の状況では悉皆に戻ることは難しい。文科省は40%を死守したいと思っている。最低でも40%を確保して、希望すれば参加できるようにすることを現時点では要望していくべきではないか。改善の取り組みの成果があったのか、なかったのかは、悉皆調査を続けなければ分からない。

香川県(細松英正教育長) この調査は一人ひとりの学習状況把握が目的だったはず。悉皆でなければ目的は果たせない。抽出ではメリットはなく、参加することに魅力を感じない。

愛媛県(藤岡澄教育長) 平成19年に小6で調査を受けた子どもが中3になるまでは悉皆調査を続けてほしいという気持ちはある。悉皆でなければ個は捨てられ、単なる行政データが集まるだけ。それならなんで40%か。10%でよい。

徳島県(福家清司教育長) 一人ひとりの子どもの学習のチェックは学校でやってきたはず。悉皆であろうと抽出であろうと実施されるべきもの。徳島では過去2回の調査を受け「改善プラン」を立ち上げた。しばらくはこの課題に取組む。毎年大規模な悉皆調査をしなくても、数年は取り組みに大きな変化はない。3回やっても同じ傾向しか出ていない。(2009年11月8日 高知民報)