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統合給食センターの予定地として浮上している山南保育所跡地 |
香南市で野市、香我美、夜須の給食センターを統合して、新たに4000食の県内最大規模の新給食センターを建設する計画がすすんでいます。同市は設計関係費用を平成21年度予算に計上していますが、肝心の保護者や教職員への説明はこれから。計画を知った保護者には、あまりにも大規模なセンター化で、給食へのきめ細かな対応や地元食材の利用が困難なることに不安が高まりつつあり、「香南市の学校給食を考える会」が結成され大規模センター化に反対する動きがおきています。
現在、香南市では野市(2000食、昭和55年に改築)、香我美(700食、平成2年)、夜須(400食、平成4年)、赤岡・吉川(400食、平成15年)の各センターで小中学校・幼稚園に給食を提供していますが、改築されてまもない赤岡・吉川以外のセンターを統合して、さらに陸上自衛隊第50普通科連隊移駐による人口増を見込んで4000食を供給できるセンターの建設を計画しています。
同市の21年度予算には約4000万円の設計費が計上されており、同市中期財政計画では翌22年度に約13億円の建設費を予算化することが方針化されています。
野市の施設の老朽化がすすんでいることから、施設の改築が急がれていることは確かですが、合併前から旧町ごとに取組まれてきたそれぞれのセンターを、保護者に説明もないまま一気に統合することをを決めることは余りにも乱暴な手法だといえます。
香南市教委は統合の理由を財政的な側面から強調しており、各センターの個別改築であれば22億円かかるが、統合すれば13億円ですむとしています。しかし、大規模化によってアレルギー食への細かな対応や現在努力されている地元食材の利用が困難になること、遠距離化による配送時間増加などのデメリットは省みられていません。
10月1日に同市内で開かれた「香南市の学校給食を考える会」の集会で、斉藤朋子市議(民主党)は「当初市側は統合しなければ合併特例債が使えないという説明をしてきたが、それぞれの施設を整備しても特例債は使えることが分かった」と主張。同会としては統合あきりきではなく、費用が割高になっても、各施設ごとの改築を念頭におきながら、多くの保護者の声を集めていくことにしています。
市教委学校教育課は取材に答え「個別改築で特例債が使えたとしても、市教委としては統合して使う考え。まだ設計の発注はしていない。10月から約1カ月間かけて保護者と教職員に説明して、さらに検討委員会で意見集約をしてから設計を発注していくことになる」と話しました。
江本美江さん(夜須小保護者)の話 4000食では地産地食は不可能。子どもに一番近い保護者に何も知らされないまま予算がついたのは衝撃的だった。どうしてもやるならみんなが納得してからにしてほしい。とにかくもっとみんなに知ってもらいたい。(2009年10月11日 高知民報) |