8月7日に高知市立小高坂市民会館で開かれた「人権・確認学習会」(高知市人権施策推進本部主催、部落解放同盟高知市連絡協議会は糾弾会であると主張)で「講師」役の森田益子・同顧問が、特定の市職員の職名を出し旧身分を暴露する発言をしていたことが分かりました。これは小笠原政子・元一ツ橋小教諭の旧身分を森田氏らが暴いた「一ツ橋小人権侵害事件」(小笠原氏に損害賠償訴訟を起こされ森田氏は敗訴。最高裁で判決確定)と同様の構図で、森田氏と解同市協が「一ツ橋小事件」に無反省であることを示すと同時に、市「主催」の学習会の場で公然と人権侵害があったことは市側の責任も問われます。
この「人権・確認学習会」には市執行部が165人、解同市協が動員した約200人が参加。森田氏は30年ほど前に消防局でおきた「差別事件」(8月16日号で既報)で取上げられた「部落差別を受けて階段の下で泣いていた職員」の職名をあげて特定。
森田氏は職員採用の後押しを頼まれたことを覚えていたとして「この姓には覚えがある。その人が階段の下でしくしく泣きよったと。何年たってもその人の名は覚えちゅう」。さらに本人に「おまん泣きよったつが。部落じゃといわれて入った早々に、しくしく階段の踊り場で泣きよったか」と森田氏自身が電話で確認し、「泣いた覚えはない」と否定されたことを明らかにしました。
森田氏は「この男は泣いちゃあせんという。身分を隠さなければ出世もできん。なぜ胸を張って言えないのか」と飛躍したロジック(論法)で「部落差別の厳しさ」を強調。さらに市役所に就職した「地区出身者」が「解放運動」に取り組まないことの責任を市側に転嫁し、「中間管理職は本当に気に入らない。働きゆう人にハッパかけとうせ」と繰り返しました。
森田氏の発言を黙って聞いていた岡崎市長以下165人の市幹部職員からは、森田氏を諌める声も否定する発言もないまま。出席した市幹部全員が「学習会」で学んだ内容について、総合政策課に報告書を提出し、さらにこの「学習会」の内容を全職員に徹底するための研修を市役所全体で取り組むことが決まっています。
森田氏の発言について「学習会」に同席した竹内千賀子・解同市協議長(高知市議)は「そのような発言はなかったはず。個人が分かるようなことをしてはならないのは当然」と回答。高知市総合政策課は「講師の個別の発言についてはコメントできない。全体を通してみれば部落差別のきびしさを学ぶものだった」と回答しました。(2009年9月13日 高知民報) |