2009年8月23日

国保難民5000人 加入世帯の1割に迫る 高知市 8月1日現在
高知市内の国保加入世帯約52000世帯のうち、保険証を持たず医療機関にかかる時に医療費を10割負担しなければならない世帯が約5000世帯にのぼることが8月12日、明らかになりました(8月1日現在、市保険医療課調べ)。同日、県民主医療機関連合会や「高知市生活と健康を守る会」が行なった市健康福祉部交渉で明らかになったもので、国保加入世帯の9・6%、1割に迫る世帯が実質的に医療から排除されている現状は、「国民皆保険」のあるべき姿からの逸脱といえます。

保険医療課によると8月1日現在、資格証が発行(保険証を取上げられている)されているのが539世帯、保険料滞納などがあり同課と連絡がつかないため短期保険証発行が保留されているのが4434世帯。合計4973世帯が保険証のない「国保難民」化しています(4月から18歳以下の子どもに対しては無条件に保険証を出すようになっている)。

また保険料滞納などを理由に、正規の保険証ではなく、1カ月の短期保険証が発行されているのが2024世帯となっています。同課では「この時期は保留がどうしても多くなるが、だんだん減っていく。例年年度末には500世帯程度になるはず」としています。

この日の交渉では、「保険証がなければ医療から排除され、医療を受ける権利が侵害される」という指摘が相次ぎ、高額な保険料を払いたくても払えない世帯が広がる中で資格証を発行し、さらに追い討ちをかけるように保険料の独自減免を廃止して高齢者や寡婦の保険料を引き上げていく市の姿勢に批判が集中。

「短期証を出すにしても、1カ月はやめ、せめて3カ月にすべき。慢性疾患の患者は1カ月証では困る」、「独自減免廃止は多くの弱者の負担増につながるにもかかわらず、市民にはまったく説明がない。固定資産税やゴミのように説明をすべきだ」という意見が出されました。(2009年8月23日 高知民報)