2009年8月2日

特別支援学校 分校を併設・併置へ 盲・ろう学校が軸に

第5回高知県における特別支援学校の再編に関する検討委員会(7月24日)
知的障害児を対象とした特別支援学校の過密状態を解消するための受け皿作りが急がれていることから、県教委が安芸市周辺と県中央部への分校設置のための検討作業に入っていますが、7月24日に開かれた「第5回高知県における特別支援学校の再編に関する検討委員会」(是永かな子会長)では平成23年度から高知市中心部の既存校に分校を併設する方向性が色濃く提起されたことから、これからの議論は「併設」を中心に展開していくことになります。

検討委の議論では具体的な校名をあげての議論は避けるように会長が仕切りましたが、現実の選択肢としては市内中心部に存在する県立特別支援学校は、盲学校(大膳町)、ろう学校(中万々)、江の口養護学校(新本町)の3校しかないことから、高知赤十字病院と同じ敷地にありスペースに余裕のない江の口養護学校を除き、盲・ろう学校のスペースの利用、再編などが今後浮上してくる可能性が濃厚です。

しかし、既存校への併設、複数の障害に対応する新しい特別支援学校を設置する案が打ち出された場合に、専門性の低下を懸念する声が既存校の保護者から起きてくる可能性もあり、県教委が計画をすすめるにあたっては慎重な取り組みが大切になってきます。

また仮に分校設置が実現したとしても、最短でも23年度以降になることから、来年度から施設のキャパシティが限界に達している日高養護学校、山田養護学校の過密状態の解決には直接つながらないという問題もあります。

検討委の討議の中では「併設・併置を考えるべきではないか」という意見が多くの委員から出されるとともに、「具体的な校名を出してもらわないと判断できない」という声もあがりました。

池康晴・県教育次長は「(併設でいくと)検討委で集約してもらえれば事務局が作業に入っていく。ただ空教室があればよいとは考えていない。作る以上はしっかりした教育環境にしなければならず、予算をたて整備していくにはどうしても23年度になる。来年度の問題はよく相談して、できるだけ早く対応したい」と発言しました。

次回の同検討委の会議は8月27日。この会議が最終回で、結論を取りまとめる予定です。(2009年8月2日 高知民報)