2009年7月26日

福井照「本音で叫ぶ」 県議は出陣式サボって中国へ 自民党
福井照「本音の叫び」(7月17日、かるぽーと)
自民党現職の福井照衆議院議員が7月17日、高知市のかるぽーとで総選挙に向けた決起集会「福井照、本音の叫び」を開催しました。動員で会場はほぼ満席にしたものの現職国会議員が選挙直前に開催する集会としては例のない催しとなりました。

集会名からして「本音の叫び」という異様なもの。実時間わずか45分間のうち半分は、音楽に合わせた福井氏の生い立ちの写真ばかりが上映されるという、かつてなく無内容な集会でした。

ステージに演台はなく、妻と福井氏の2人で壇上に立ちっぱなしの45分間。紹介されたビデオメッセージは福井氏の両親だけ。妻や家族を強調することで、『週刊現代』に報じられた女性スキャンダルの写真のイメージの払拭に懸命でした。

集会では福井氏の口から「自民党」いう言葉は1回も出ませんでしたが、対照的に強調したのは「比例は公明党」。集会の唯一のゲスト・石田祝稔衆議院議員(公明党)の手にすがりつくように「公明党」を繰り返していました。

さらに福井氏の妻が「大変なこともあったがなんとかこの10年、代議士の妻をやってきた。高知の人が福井がしたことを知らないのは寂しい。福井はいつかは高知を去る人間。その時に福井を思い出してほしい。この10年間ありがとうございました」とさながら引退のあいさつ。

福井氏が政策らしきものを語ったのは「新しい高知駅は自分が作った。衛右衛門地区や潮江の区画整理をやったのは自分」というリフレイン。土木公共事業拡大という旧態依然としたメッセージだけが伝わってくるものでした。「総選挙で高知市民の真実を知りたい」と締めくくり、自ら「福井コール」の音頭をとり閉会しました。

総選挙を目前にして自民党陣営の足並みが乱れています。それを象徴するのが自民党県議団の重鎮である西森潮三、土森正典議員や、森田英二副議長らが衆院選公示日であり出陣式が行なわれる8月18日から中国安徽省の記念行事に出るために中国へ渡り、式典に出席し、上海アンテナショップの見学などに出かけること。

18日は午前7時30分に高知空港に集合予定のため、この日の9時頃から始まる出陣式に出ることはできません。この催しは、財団法人・高知県国際交流協会が主催する「高知県・安徽省友好提携15周年記念訪問団」。上海市、安徽省・合肥市、雲南省・昆明市などを8月18日から23日まで訪問するものですが、県議会事務局によると「協会から5人ほど県議会から出してもらえないかという話があったが、どうしても出さなければいけないというものではない」。結局は、行きたい議員が手をあげたかたち。苦戦が伝えられる自民党現職の関係者からは、「まるで敵前逃亡」と憤る声が聞かれました。(2009年7月26日 高知民報)