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高知新港整備事業は国直轄事業だ |
全国知事会が国の道路・港湾などの建設工事費用の一部を都道府県に負担させている「直轄負担金」について、「内容の開示水準が不十分で、使途の妥当性について判断できない」と国を強く批判する一方で、県と市町村の間にも同じ問題があることをご存知でしょうか。市町村からは「県も国と同じ。国を批判するなら県はまず自ら襟を正すべき」という声があがっています。7月1日の高知市議会では「県営事業に対する市町村負担についての意見書」が全会一致で採択されました。
この意見書決議の背景には、高知市当局と市議会の全会派が、国直轄事業負担金とともに県単独事業における市町村負担のあり方に対し強い不満を持っていることを示しています。
国直轄事業で市町村にとって負担が大きいのが重要港湾の改修事業。高知新港の場合、事業費の16分の5の県負担分のうち3割を市町村が支払うことになっているため、平成21年度当初予算では約2億4000万円の負担に。須崎港にも須崎市が1億円以上の負担をしています。
県単独事業で実施する道路整備では事業の種別によって負担率を定め市町村に負担を求めていますが、高知市財政課関係者は「内訳がこないので請求の内容が分からず査定できない。県には道をつけてやってやるというような感覚があるのではないか。国を批判するならまず自らが襟を正すべきだ」。
吉村浩司・県土木企画課長は「国直轄事業では県も市町村も同じ立場。国が開示しないものを県は開示できない。共に国に開示を求めていく立場だ。県単事業の負担は市町村と協議して払ってもらっているが、県が国に求めている水準への見直しは必要だろう。ここ数年事業費が大幅に圧縮される中でも負担金が減っておらず、負担感が強まっていることが背景にあるのではないか」と話しました。
「国も県も同じだ」−−。港湾や道路事業の負担金の現状に対し、市町村にとってはクレームをつけることで不利益を受けてはいけないという思いが働くため顕在化することは滅多にありませんが、実際の不満は根強いものがあります。
県が国に対して行なっている「不透明さ」の批判は、対市町村との関係ではそっくり自らに降りかかってくることを自覚しなければなりません。県単事業であればその気になれば改善はすぐにでもできるはず。市町村が負担金の根拠を住民に説明する責任があることは当然であり、国の動きを待つまでもなく、県自らが積極的に情報を明らかにする努力が急がれています。
岡崎誠也・高知市長のコメント 県単の道路は都道府県によって市町村の負担率がかなり異なる。県の判断でやれることはかなりあるはずなので、適正な支払いの内容や負担率のあり方を県と議論していく。
尾崎正直知事の6月26日の記者会見での発言 国と県、県と市町村の間は同じでなければならない。我々は補助事業と同水準の開示を国に求めている。県が市町村に開示していくときにも同じ考え方でやっていく必要がある。相互にイコールフッティングでなければいけない。(2009年7月12日 高知民報) |