2009年6月28日

コラム アンテナ 「統一協会 電車通りに高知教会」

高知市梅ノ辻のビルにある統一協会「高知教会」
統一協会(※)が街頭で姓名判断や手相見で誘いかけ「たたりかある」、「家族が不幸になる」などと脅して不安をあおり、数十万円から数百万円もする高額な印鑑を売りつけていたインチキ「霊感商法」が東京で摘発され、協会幹部宅や関連施設にも警視庁の家宅捜索が入った。

最近では「青年意識アンケート」、無料運勢鑑定のハガキ投函などの手口、絵画展示会(美術世界)、宝石展示会(クリスチーナ・ハン)、着物の展示会、一和高麗人参濃縮液、化粧品(男女美)などの販売や整体術をきっかけに誘うこともあるという。

20年ほど前、家や財産を処分させて数億円の壷や「多宝塔」を売りつける「霊感商法」に社会的批判が高まり、桜田淳子の集団結婚式参加が騒ぎになった頃から、動きが見えにくくなっていたが、水面下ではしっかり策動を続けていたのだ。

印鑑などは序の口で、これにひっかかると「ビデオセンター」に連れられて霊能師の「鑑定」で「地獄に落ちる」と洗脳され、救われるために数百万円の献金。しまいに信者になって勧誘する側に動員され、渡韓し集団結婚式で見ず知らずの外国人と結婚・・・などにつながっていくから恐い。

どうして統一協会はこうも他人の財産を奪い上げることに執着するのか。この教団が韓国人教祖・文鮮明に送金し、貢ぐことで原罪が許される「万物復帰」という教義に基づいているからだ。洗脳されている信者は、自らの財産だけでなく親族・友人や一般市民の財産をも文鮮明に捧げることが相手を救うことになると信じ込んでいるから始末に負えない。

高知県内で最近、統一協会がどのような活動をしているのかを調べてみると、高知市内の電車通りで4階建のビルに堂々と看板を出して「高知教会」を開設していたので驚いた(数年前まで雑居ビルの一室で、すぐに分からない場所だった)。スキャンダルから時間が経ち、統一協会の反社会性を知る人が減ってきたのをいいことに、彼らは着実に活動を拡大している。

県立高知女子大学学生課では「統一協会の勧誘を受けたという学生からの報告があったので、注意喚起するポスターを掲示した」。被害者を出さないために県民的な監視が必要だ。

統一協会を語る時に、自民党との関係を指摘しないわけにはいかない。なかでも衆院高知1区の福井照・衆議院議員。統一協会の偽装組織「天宙平和連合(UPF)」祖国郷土還元高松大会(2006年5月15日に高松市で開催)に祝電を送り、「世界平和連合高知県連合会」結成大会(02年1月20日、県民文化ホール・グリーン)には自ら出席してあいさつするなど、その関係は常軌を逸している。このように統一協会は、政権党の国会議員の威光をかさに被害者を生み出してきた。しかし、手を貸した国会議員から反省の弁を聞いたことがない。政治家としての資格が問われる重大な問題である。(N)

※統一協会(世界基督教統一神霊協会) 韓国人・文鮮明を教祖とするキリスト教を装う反社会的国際的カルト組織。政治団体・国際勝共連合と表裏一体で、仏教を装う天地正教、原理研究会(CARP)、世界平和女性連合など多数の偽装組織がある。野の花会、しんぜん会などのインチキ募金、珍味売り、家系図、印鑑や念珠販売などで多額の資金を集める。大学や街頭でアンケートや姓名判断を口実に接近し、洗脳で文鮮明を救世主と信じ込ませ、物品販売や伝道に動員。すべての財産は文鮮明の物(万物復帰)で、「原罪」から救われる唯一の方法は文鮮明に選ばれた相手と結ばれる「血分け」=「集団結婚」という異常な教義を持つ。韓国を中心にした世界統一を目指し、共産党をサタンと激しく攻撃。選挙支援、秘書派遣、「純潔教育」などで自民党と関係が深い。(2009年6月28日)