2009年6月21日

高知市に「臨時収入24億円」 新清掃工場談合で三菱重工から解決金 市民負担によらない財政再建の検討を
高知市長浜の宇賀清掃工場
1998年の高知市新清掃工場本体整備工事の入札で、落札した三菱重工業などが談合をしたために競争が働かず価格が高額化したとして、市が三菱重工に損害賠償を求めていた問題で、東京地裁は三菱重工に高知市へ約24億円の解決金を支払う内容の和解案を提示しました。高知市は和解案を「主張が概ね認められた」として、受諾する議案を6月18日から始まった6月高知市議会に提案しました。三菱重工からのペナルティ料支払いは予想されていたことでしたが、現在高知市が市民に説明している「財政再建」の「財源」には組み込まれておらず、執行部が主張する増税の根拠にも影響があることから、今後が注目されます。

和解が成立した場合に高知市に入る解決金は24億4532万円。

岡崎誠也市長は6月11日の記者会見で、「国が補助金の返還を求めてくる可能性があり、全額を高知市が使えるわけではない」としながらも、20億円近い巨額の財源が生まれることになります。

ここで問題になるのが執行部が固定資産税などの市民負担増を求めている根拠とされている「財源不足」が70億円程度とされていること。今回の解決金約20億円の「臨時収入」、また国から「景気対策」として下りてきている17億円にものぼる臨時交付金などで、学校耐震化工事や消防車や救急車、ゴミパッカー車購入など将来的に必要とされるインフラ整備や物品購入を前倒しで実施している現状を考え合わせると、執行部が主張してきた「70億円の不足」の説明がつかない状況になってきています。

岡崎市長は解決金を起債(借金)の繰上げ償還に充当する考え方を示し、市民負担についても「一定の軽減はできるのではないか」とコメント。現在実施している説明会が一巡した後、市民負担の額や、固定資産税だけでなく市民税による負担なども含め、再度執行部としての案を提示するとしていますが、「解決金」の活用、同和行政廃止、必要であれば起債のピークをずらして平準化するための一時借り換えなどの政策判断によって、市民負担によらない方向での財政再建を真剣に考える時にきているのではないでしょうか。

記者会見で発言する岡崎市長(6月11日)
岡崎誠也高知市長の発言要旨

6月11日の記者会見での談合解決金と市民負担に関連する岡崎市長の発言要旨を紹介します。

岡崎 談合による不公平な価格提示があったと判断して20年2月に提訴して裁判をすすめてきた。6月4日に裁判所から和解勧告案が出されたが、こちらの主張が概ね認められていると判断して議会に和解関係の議案を提案する。解決金約24億を9月30日までに支払うという勧告だ。

談合があった場合には6%の違約金を払うという全国初の協定書を結んでいたが、今回の勧告はこの6%にあたると考えており和解を受け入れたい。

−−三菱側の意向は? 

岡崎 勧告の期限は7月27日だが、和解にならないということは想定していない。
−−裁判を続ければ金額が上がる可能性はないのか。

岡崎 それはきびしい。時間もかかるので和解勧告に応じたほうが高知市に利益がある。

−−実際市に入るのはいくらか。

岡崎 国から補助金を受けているので返還が想定される。ただ具体の額は国から請求がこないと分からない。全額使えることではなく一部留保しなければならない。

−−「財源不足」との関係は?

岡崎 清掃工場には多額の起債を発行し、負担になっているので、最終決定ではないが、起債を繰り上げ償還する考えを持っている。将来の利子負担も軽減され、財政再建効果が大きいのではないか。繰上げ償還で将来の公債費が減る。その分で今お願いしている年間14億円分の負担を、いくら軽減できるのか詳細の数字を出してみたい。(財源不足が)大幅に減るということではなく、一定軽減ができるのではないか。

−−説明会を半分終えた感想を。

岡崎 増税絶対反対という声も強いが、想定していた以上に固定資産税だけでなく応能負担の市民税でとるべきという意見があった。28カ所を全部まわった後に、この24億円の話もあるので、どこまで圧縮できるのか、ギリギリまで圧縮しなければならないが、どういう最終的な組み合わせでお願いするか最終案を決めて議会にはかる。これだけの重要議案なので、最終案をつめる前には議会とも相談する。(2009年6月21日 高知民報)