2009年5月17日

JC高知が憲法討論会 県内5政党が参加
5月3日、春野文化ホールで開かれた憲法TM
公明 黒岩正好氏 共産 春名なおあき氏
民主 平野貞夫氏 自民 中西哲氏
社民 竹村美也子氏
憲法記念日の5月3日、高知市の春野文化ホール「ピアステージ」で「憲法タウンミーティング」が開かれ、各政党の代表が発言者として参加し、憲法について討論しました。主催は社団法人・日本青年会議所高知ブロック協議会(上島潤代表)。

発言者は、自民・中西哲県議、民主・平野貞夫元参議院議員、公明・黒岩正好県議、共産・春名なおあき元衆議院議員、社民・竹村美也子県連副代表。

討議テーマは「地方自治」、「道州制」、「九条」、「集団的自衛権」、「国民投票法」など。九条にかかわる発言要旨は以下。

公明 現憲法の素晴らしさを前提にして新たに加えていくことが大切。自衛隊や国際貢献のあり方も九条を基本とした上でどうしていくのか、加憲という立場で議論していくことが大事だ。

共産 九条は世界的にも大変優れている。恒久平和・交戦権の否認。世界の戦争違法化の最先端が九条だ。21世紀を照らす灯台。九条があるために自民政権でも越えられない一線が、海外での武力行使。これが取り払われれば、歯止めがなくなる。自民党の憲法草案では自衛軍をつくるとあり、日本の国のあり方が根本から変る。このような道を許してはならない。九条を守り生かしていく。

民主 九条の歴史的評価は共産と変らない。ただ九条の理念をどう発展させるかが日本人の課題。九条を変えるかどうかは国民の意思次第だが、九条の発祥地の地は国連憲章であり、国連のの中で責任を果たしていくのは前文や九条の精神だ。日本国一国で生きてはいけないという現実を考えた上で九条を議論すべきだ。

自民 歴代の自民党内閣は自衛隊は戦力には当たないので違憲ではないという見解だが、それはおかしい。自衛隊はどこから見て陸海空軍だ。早く憲法改正してきちんと自衛軍として自衛隊を認めていくべき。自民党はもっと早く国軍として認めるべきだった。
 社民 社民党は94年に政策転換して自衛隊を認めたが、今も自衛隊は軍ではなく、交戦権は認められない。もし国民投票があっても九条を守っていきたい。現行憲法に優るものがあればあえて改正に反対はしない。

会場からの質疑応答では、「軍隊が必要というなら憲法を変えてからやるべきだ。憲法はどうでもよいのか」、「社民党と共産党は護憲で共同できないのか」などの発言がありました。

この集会は日本青年会議所が「憲法改正」にむけて全国で展開しているキャンペーンの一環ですが、憲法という国政の最も重要なテーマにもかかわらず、現職の国会議員や国政候補者は共産党以外は出席せず、党の正式見解とは異なる個人的見解に終始する発言者など、政党代表の討論とは言い難い無責任な姿勢がみられました。(2009年5月17日 高知民報)