2009年4月5日

今度は戦車 高知駐屯地 軍事慣らしエスカレート 香南市
戦車に上って記念撮影する親子連れ(3月29日、岸本駐屯地内)
陸上自衛隊第14旅団14施設中隊などが駐屯している高知駐屯地(香南市香我美町岸本)の創立43周年行事が3月29日、同駐屯地を開放して開かれ、74式戦車や「ゲリラ」と格闘する訓練など、県民を一層県土の軍事化に慣れさせていく内容が展示されました。

今回、展示された兵器は74式戦車、地対空誘導弾ホークミサイル、92式地雷原処理車など。74式戦車は岡山県日本原駐屯地の14戦車中隊から移送されてきています(四国内には配備されていない)。同施設隊の担当者によると「戦車の展示は昨年はしていない。今年から」。

戦車の周辺では子供が砲塔に上り、砲身にまたがったり、「記念撮影」する親子連れの姿がみられました。

隊の日頃の訓練内容を披露する「訓練展示」は、@丸太や橋の部品を担ぐ訓練、A小銃によるゲリラ制圧と素手による格闘訓練(※)、B「敵」と交戦しながら地雷原を爆破して戦車が通過できるルートを確保する訓練という内容。

これらの訓練の内容からは、「施設隊」とは「敵」と最前線で対峙しながら地雷を爆破したり工作物を施設する「戦闘工兵」としての任務を持った部隊であり、決して後方で土木作業ばかりをしている部隊ではないことが分かります。

Aの格闘訓練に先立ち「イラクの状況を踏まえて全隊員に格闘訓練が義務付けられるようになった」というアナウンスがあり、Bの訓練では、地雷の爆発に模して爆薬を何度も爆破させたため、会場に大音響が響き渡り、「怖い」と怯える子供の姿もありました。

※3月9日に同市で実施された50普通科連隊の訓練展示では、自衛隊員側もナイフを持って応酬したが、今回はナイフを持ったゲリラを自衛隊員が素手で取り押さえるというシナリオだった。(2009年4月5日 高知民報)