2009年3月15日

陸自50普通科連隊 創隊3周年記念行事 ナイフ手にゲリラと白兵戦 香南市
ナイフによる白兵戦の訓練展示(3月9日、香南市)
平成22年から香南市香我美町に移転する陸上自衛隊第50普通科連隊の創立3周年記念行事が3月9日、同市市民館で開かれました。グランドで行われた観閲式では自民党の佐藤正久参議院議員が檄を飛ばし、隊員250人が銃を担いで行進。市街戦でゲリラを掃討する「訓練展示」、戦闘用車両や小銃・機関銃・ロケット砲・迫撃砲など武器の展示、子供の軍事用車両への体験乗車など、子供をターゲットに自衛隊に慣れさせ、県土の軍事化への地ならしをすすめるものでした。

今年の行事で、昨年の2周年行事との最大の変更点は「訓練展示」。隊員が鎮圧部隊とゲリラ役に扮して、さながらサバイバルゲームのように演技をするものですが、発射音が実弾とほとんど変らない空砲弾を用いる以外は、小銃・狙撃銃・機関銃など火器はすべて本物。建物にたてこもった目出し帽を被ったゲリラを、部隊が突入して射殺し「制圧」するという市街戦を想定したストーリーは昨年とほぼ同様でしたが、今年は初めてナイフによる格闘が登場しました。

50普通科連隊の中川立洋・第一科長はナイフによる格闘がメニューに加わったことの説明として「格闘訓練が、より実践的に変ったことから展示することにした」と取材に回答。「『制圧』とは殺すということであり、子供が見る行事で不適切ではないか」との質問には「射撃は急所を外して撃ったことになっている。隊員の持っているナイフは片刃であり、刃の無い方で押さえつけ、刺したわけではない。警察比例の原則でやっている」と話していました。

会場では子供を対象に、迷彩色の高機動車・軽装甲機動車への体験乗車を実施(昨年の車種はジープ)。子供にはヘルメットを被せて菓子を配る「サービス」ぶりで、順番待ちに親子連れが並ぶ姿が見られました。

記念行事を見学した山本博永・民青県副委員長のコメント 人を殺す訓練を本当にしていることを目の当たりにしてショッキングだった。演技であっても人が殺されるところを聴衆が平然と見ている情景は怖いと思う。(2009年3月15日)